評価: ☆☆☆☆

猫や犬が活躍するミステリ

ぼくの名はチェット 名犬チェットと探偵バーニー1/スペンサー・クイン/東京創元社(2010.5.31発行)

犬の観点から語られる私立探偵ミステリ ミステリとしても面白い。 賢いけれどスーパーわんちゃんではないチェットと飼い主のバーニーとの間にはテレパシー会話などない。 食べ物の誘惑や仲間の声にすぐ気を取られちゃうし、人間の言葉はだいたいしかわからない。 意思を伝えようにも吠えることしかできない。 犬好きの人もそうでない人も犬の立場に立って考えるいいチャンスになるかも。 赤ちゃん言葉で犬に話しかけている近...
ノワールもの

デクスター 夜の観察者/ジェフ・リンジー/ヴィレッジブックス(2010.10.20発行)

衝撃の海外ドラマ「デクスター」原作第3弾 ダークヒーローのデクスターが悩んでいる。 カモフラージュのためつきあっていたリタと思わぬ誤解から婚約することになり、結婚式にまっしぐら リタの二人の連れ子アスターとコーディーにはデクスターの特別育児課程が必要で マイアミ大学の構内で首なし死体が見つかり、被害者の女子学生2人は全身を焼かれ、頭部のかわりに陶器の雄牛の頭が置かれていた事件の現場に駆けつけると ...
2010国内外ミステリ

ファージング Ⅱ 暗殺のハムレット/ジョー・ウォルトン/創元推理文庫(2010.7.30発行)

☆2010年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位(3部作としての評価) ☆ミステリが読みたい!2011年版(早川書房)第5位(3部作としての評価) ☆闘うベストテン2010(AXNミステリチャンネル)国内外ミステリ第2位(3部作としての評価) 舞台は第1作から数週間後のイングランド 主人公はスコットランドヤードのピーター・カーマイケル警部補 3部作の第2作 歴史改変ミステリだけにどう展開する...
2005年

ファージング I 英雄たちの朝/ジョー・ウォルトン/創元推理文庫(2010.6.11発行)

☆2010年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位(3部作としての評価) ☆2010年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第4位 ☆このミステリーがすごい!2011年版(2010年)ベスト20宝島社第10位 ☆ミステリが読みたい!2011年版(早川書房)第5位(3部作としての評価) ☆闘うベストテン2010(AXNミステリチャンネル)国内外ミステリ第2位 これだけの評価を受けたミステリだけ...
2011(2010年)

フレンチ警部と毒蛇の謎/F・W・クロフツ/創元推理文庫(2010.3.26発行)

☆本格ミステリ・ベスト10海外2011探偵小説研究会(原書房)(2010年) 第10位 1938年に刊行されたクロフツ22作目の長編推理小説 343ページの作品で、主人公のフレンチ警部が登場するのはなんと225ページになってからです。 登場するやいなや事件を解決してしまいました。 昨年創刊50周年を迎えた創元推理文庫が紹介に力を注いだ作家の一人。 この本の翻訳ですべての長編作品がそろいました。 2...
男性刑事(捜査官)もの

いとけなく愛らしき者たちよ/ジリアン・ホフマン/ヴィレッジブックス(2010.11.20発行)

10代と10代未満の二人の娘を持つ元検察官が、インターネットの恐るべき危険に書かなければという動機に基づいて書かれた本書 主人公は児童被害犯罪班で働く主任特別捜査官のボビー・ディーズ 読み終わったときに涙が自然にこぼれました。 作者の用意したミステリのトリックテクニックは見破れたけれど、アメリカで行方不明になったとの届け出がある未成年者たちが年間80万人にもなる現実の厳しさ。 日本ではこんな問題は...
女性私立探偵もの

パイは小さな秘密を運ぶ/アラン・ブラッドリー/創元推理文庫(2009.11.27発行)

☆2007年CWA(英国推理作家協会)THE DEBUT DAGGER※受賞作品  ※デビュー・ダガーはミステリ作家志望者のためのコンテスト    未発表の作品の冒頭三千語程度にあらすじを添えて応募するもの。 ☆2010年バリー賞(THE BARRY AWARDS)最優秀処女長篇賞ノミネート作品 ☆2010年アンソニー賞(ANTHONY AWARDS)最優秀処女長篇賞ノミネート作品 こまっしゃ...
評価: ☆☆☆☆

ヴェロシティ(上)(下)/ディーン・クーンツ/講談社文庫(2010.10.15発行)

もしあなたの車のワイパーにこんなメモがはさんであったら、あなたならどうするでしょうか。 「このメモを警察に届けないと金髪の美人の学校教師が死ぬ。 届けると慈善活動にいそしんでいるばあさんを殺す。 6時間以内に決断しろ。どちらを選ぶかはお前しだいだ。」 ディーン・クーンツらしいミステリの始まりです。 いったい犯人のねらいは何のなのか、夢にまででてきた恐怖のストリー 読み終わった時には、爽快な気分にな...
男性刑事(捜査官)もの

愛書家の死/ジョン・ダニング/ハヤカワ文庫(2010.8.25発行)

警官から古書店主になったクリフ・ジェーンウェイ シリーズ第5作 ずっと昔に第1作の「死の蔵書」を読んだ記憶があり、久しぶりに大学時代の友人にあったような気がしました。 膨大な初版本コレクションの査定を依頼されたクリフ。その蔵書コレクションは馬主の20年前になくなった妻が収集したものだった---- クリフを囲む周囲の人々の心のさびしさや暖かさにふれるミステリ 犯人探しよりこちらに心惹かれます。 競馬...
評価: ☆☆☆☆

殺意の試写状/サンドラ・ブラウン/集英社文庫(2010.11.25)

ホテルのエレベーターの中で強盗事件が起き、一人の男が殺害されたところから物語は始まる。 その男は地元アトランタの王といってよい会社のオーナーだった---- サンドラ・ブラウンを久しぶりに読みました。 サスペンスとラブロマンスを両方とも楽しみたい方・水戸黄門のようにいつものパターンがあると安心する方是非お読みください。 次作の作品の主人公は、今回調査員として活躍したドッジ・ハンフリー 「同じ人物で面...
冒険アクションもの

暗闇の岬/メグ・ガーディナー/集英社文庫(2010.8.25発行)

主人公は女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニーとボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーンのシリーズ第3作 今回は向こう見ずなアクションよりも、愛する二人の心の葛藤を描くことに重点があります。 心に沁みる内容になっているのですが、痛快といえないのは、不快な人物を登場させすぎたから。もう少し不快な人物の数を絞ったらよかったのに。 不快な人物が多くてイライラして、エヴァン・ディレニーの...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

堕ちた預言者/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1999.8.27発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第5弾 リナも30歳デッカーも42歳になりました。 妊娠中のリナのため焼きたてのパンを買いに出た帰り、通報があった場所がわずか12ブロック先だったデッカーは現場に向かった。厄介な事件に巻き込まれることも知らずに---- ある種の危険な人には、とにかく近づかないことが一番なのですが、それが肉親の場合には付合いをしないことはとても困難を伴います...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

贖いの日/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1997.7.25発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第4弾 一年間猛烈に働いて、二週間の休暇をためリナとハネムーンに出たデッカー。想像していたのとは大違いのハネムーン。 なんとニューヨークのリナの亡父の家族と新年際を過ごしているのだった--- 親と子・妻と夫・兄弟姉妹 愛の形をいろいろと考えさせる本書はミステリや警察官物と呼ぶにはふさわしくないかもしれません。 リナに手錠をかけたデッカーには...
歴史ミステリもの

P2(上)(下)/ルイス・ミゲル・ローシャ/新潮文庫(2010.6.1発行)

2006年世界的ベストセラーになったポルトガルの作家のミステリ 1978年9月に在位わずか33日でローマ法王ヨハネ・パウロ一世が自室で遺体で発見された事件と30年後の現代とが錯綜して読者の前に現れる。 村上春樹の日本語を読んだ後ではこの翻訳の日本語はちょっとつらいものがありました。 それでもどんどん読んでいったのは、世紀の事件の究明に挑み、先を知りたいと思わせる構成力のせいでしょうか。 本書は「ヴ...
ローマ市警の刑事ニック・コスタ シリーズ

聖なる比率(上)(下)デヴィッド・ヒューソン/武田ランダムハウスジャパン(2008.10.10発行)

ローマ市警の刑事ニック・コスタのシリーズ第3作 大雪に見舞われたローマのパンテオンで、背中に不可解な紋様が刻まれた女性の全裸死体が発見された---- 事件の究明にひた走る仲間たち 上司のレオ・ファルコーネは上層部からの捜査に関する圧力を無視する パートナーのジャンニ・ペローニは心を病んだ戦争孤児の少女に限りない優しさを与え、事件背景を隠すFBI捜査官の顔にハンバーカーを押しつける 病理学者のテレサ...