評価: ☆☆☆☆

女性弁護士もの

赤い夏の日/オーサ・ラーソン/ハヤカワミステリ文庫(2008.10.25発行)

犯人を捜すよりも登場人物一人一人がどうなるのか気になってしまう不思議なミステリ 女性弁護士レベッカ・マイティソンのシリーズ第2作 既に日本で第3作まで出版されています。 登場人物の生き方を応援したくなって夢中になるミステリ  2004年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞受賞作品 あのスティーグ・ラーソンの「ミレニアム2 火と戯れる女」が2006年の同賞受賞作品です 1995年にはヘニング・...
ノワールもの

弔いの炎/デレク・ニキータス/ハヤカワ文庫(2009.4.15発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ(The Mystery Writers of America =MWA)最優秀処女長篇賞ノミネート作品 主人公は16歳の誕生日が間近の女子高校生ルシア・モーバークと女刑事のグレダ・ハード(帯にはもう一人入れていたけど) 舞台はニューヨーク州郊外の町ロチェスター 訳者は「文学の香り高いサスペンス」と、出版社は「心理サスペンスの傑作」と紹介 やたらに体調の悪い人がです...
ボディーガードもの

嵐を走る者/T・ジェファーソン パーカー/ハヤカワ・ミステリ文庫(2009.1.15発行)

「マット・ストロームソーがのちに彼の妻と息子を殺すことになる男と出会ったのは、高校生のときだった。」 この衝撃の書き出しで始まる物語 読む人をひとときも退屈させません。 読んだ後の爽快感があなたを待っています。 訳者も書き出しについて同じように書いていますが、まねをしたわけではありません。 『サイレント・ジョー』(2001年)『カリフォルニア・ガール』(2004年) 二度のアメリカ探偵作家クラブ...
男性刑事(捜査官)もの

壊れた海辺/ピーター・テンプル/ランダムハウス講談社(2008.10.10発行)

2007年英国推理作家協会(Crime Writers' Association = CWA)ダンカン・ローリー・ダガー(最優秀長篇)賞受賞作品 オーストラリア・ミステリ界の第一人者が贈る刑事ものミステリ 登場人物の説明が前後していてわかりにくい。 事件解明の説明が丁寧ではなく、後は自分で考えろという突き放した作風。 それでも読み続けるだけの面白さがあります。だてに最優秀長篇賞をとっているわけでは...
評価: ☆☆☆☆

ぼくと1ルピーの神様/ヴィカス・スワラップ/ランダムハウス講談社(2009.2.19発行)

話題の映画『スラムドッグ$ミリオネア』(第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞)の原作 映画は4月18日日本全国一斉ロードショウ 物語は、主人公のラム・ムハンマド・トーマスがクイズ番組で史上最高額の賞金を勝ち取ったことで逮捕されたところから始まる。 クイズで正解した訳を説き明かしていく形で、主人公の人生が語られます。 読んだ後の爽快感が何とも言えません。 本書は今までに37カ国で翻訳され...
2007年

ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー/早川書房(2008.3.10発行)

ミステリが読みたい2008年版 ベスト・ミステリ2007(早川書房)第1位 2007年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 1955年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞受賞作品 主人公は私立探偵フィリップ・マーロウ 主人公がロールズロイロイスの車中で酔いつぶれているテリー・レノックスと出会ったところから物語が始まる。 私立探偵ものが好きな人に送る古典的ハードボイルド(hardboi...
ノワールもの

狼のゲーム/ブレント・ゲルフィ/ランダムハウス講談社(2009.1.10発行)

現在のロシアを舞台にした衝撃の作品 主人公はロシアン・マフィアで元特殊部隊隊員のアレクセイ・ヴォルコヴォイ(通称ヴァルク)と恋人のチェチェン人のヴァーリャ 強烈なラブストリーです(第2作を読まないと断定はできませんが)。 『チャイルド44』(トム・ロブ スミス)と同じような衝撃が読む人を襲います。 主人公たちがこれだけ痛めつけられる犯罪小説はありません。 書いたのがロシアの人ではないところもチャイ...
冒険アクションもの

ヒラムの儀式(上)(下)/エリック・ジャコメッティ +ジャック・ラヴェンヌ/講談社文庫(2009.2.13発行)

1945年4月25日、ベルリン陥落寸前のドイツ第3帝国首相官邸、ある上級大隊指揮官が受けた指令は、ベルリンを密かに離れ、木箱を予定された隠し場所に埋めろというものだった。 物語は、ここから始まり、舞台はすぐ20005年5月のローマに移る----- ナチスでなくフリーメーソンが主題の壮大な歴史ものミステリ 人間が人間に対してできることに限界がないことを改めて知らされました。 ”庭師”は怖すぎます。 ...
アンドルー・ダルジール警視シリーズ

社交好きの女/レジナルド・ヒル/ハヤカワ・ミステリ(1982.3.15発行)

<アンドルー・ダルジール警視シリーズ>第1作 原題は『A Clubbable Woman』 現在21作目まで発表されています。 イギリスBBCでドラマ化 1996年から10年以上ヒットし続け、現在第12シリーズまで放送されている人気ロングランシリーズ 物語はラグビークラブの試合でスタンド・オフのサム・コナンが負傷したところから始まる。負傷した彼を帰宅後待っていたものは---- 大男でがさつなアンド...
ノワールもの

暗黒街の女/ミーガン・アボット/ハヤカワ・ミステリ(2008.11.10発行)

2008年MWA(アメリカ探偵作家クラブThe Mystery Writers of America )最優秀ペーパーバック賞受賞作品 2008年バリー賞(THE BARRY AWARDS)最優秀ペーパーバック賞受賞作品 ※バリー賞 熱心なミステリ・ファンで書評家の故バリー・ガードナーに由来する賞           (ミステリの専門季刊誌主催 スタッフと購読者の投票で決定する) 「あんな...
ユーモア・ミステリ

ユークリッジの商売道/P・G・ウッドハウス/文藝春秋(2008.12.15発行)

P・G・ウッドハウスの最も喜劇的なキャラ・ユークリッジを主人公にした短編14編と特別収録作品1作 本書紹介の中で出版社は「殺伐とした世相にうんざりしたときの妙薬、ウッドハウス作品。年末年始の厄落とし&景気づけにぜひどうぞ。」としています。 現在ならうまくいくかも知れないペキニーズを大量に集めて芸を教え込む「犬学校」を開校し大儲けをたくらむ  年間購読雑誌についている傷害保険を目当てに大儲けをたくら...
ノワールもの

娼婦レナータ/ヴィッキー・ヘンドリックス/ランダムハウス講談社(2008.11.10発行)

2008年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀ペーパーバック賞ノミネート作品 異色のエロチック・クライムノベルと紹介されています。電車のなかでは読みにくい内容がとても多い作品です。 男性はとことんこけにされているかも。 原題は「CRUEL POETRY」(残酷な)(作詩・詩) マイアミ・ノワールの女王と称される女流作家の長編第5作 デビュー作『マイアミ・ピュリティ』以来の邦訳 このデビュー作は...
女性私立探偵もの

天を映す早瀬/S・J・ローザン/創元推理文庫(2006.11.24発行)

私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第7作 原題は「REFLECTING THE SKY」 今回の依頼は薬種店主のガオ・ミエンリヤンおじいさんから 香港にいる親友だった故人の孫に形見の翡翠を渡すこと、遺骨を埋葬のため香港に運ぶこと しかも相棒と二人でいう条件付 ビジネスクラスにのってルンルンで香港に降り立ったリディア・チンを待ちうけていたものは--- 2006年11月24日創元推理文庫よ...
女性検死官(解剖学者・法人類学者・科学者等)もの

血の記憶(上)(下)/グレッグ・アイルズ/講談社文庫(2008.10.15発行)

大好きな作家のひとりグレッグ・アイルズの第9作 原題は「Blood Memory(2005)」 主人公は女性歯科科学者(歯の噛み跡を鑑定をする歯科医)のキャット・フェリー 銃で撃たれた後、激しく何箇所か噛まれ、最後に止めを刺されるという男性の連続殺人事件が次々と起こる--- あっという間に物語に引き込まれていきます。先を読まざるを得ない構成のうまさはさすがと言わざるを得ません。 今回のメインテーマ...
評価: ☆☆☆☆

キルショット/エルモア・レナード/小学館文庫(2008.9.10発行)

主人公は鉄骨工のウェイン・コールソンとその妻カーメン・コールソン その周りをおろかで無能で知性もなく、何の役にも立たないどころかかえって二人を窮地に落とす各警察官が色を添える まともな捜査官は一人ぐらいしか出てこない 自分たちのことは自分たちで守らなければ! 本書の解説は本書を「作家としてもっとも脂がのっている時期の傑作であり、40作を超える長編の中で最も異色の作品」と紹介しています。 文庫版は2...