2010(2009年)

ミスター・ディアボロ/アントニー・レジューン/扶桑社ミステリー(2009.8.27発行)

密室で殺人が起き、犯人はごく限られた人の中にいるというミステリは、最近あまり面白いとは思わなくなった。 トリックが語りつくされているからか、意外性があってもたかが知れているからかな。 本書は怪奇小説を好む方向きではありません。(タイトル名の「ディアボロ(ギリシャ語で悪魔の意」「悪魔の小道」等は最初から少ししか描かれていません。) 舞台は英米文学政治学会の大会が開催されるイギリス 探偵役は陸軍省所属...
番外編 日本の作家

[番外編]どちらかが彼女を殺した/東野圭吾/講談社文庫(1997.7.15発行)

加賀恭一郎シリーズの第3作 加賀は練馬署の巡査部長として登場する。いつの間にか刑事コロンボみたいになって。 「もう一つ質問があるんですが」まで似ていて、わざとコロンボを意識して書いたのかも。 1997年7月15日講談社文庫より発行 第1作『卒業 雪月花殺人ゲーム』 第2作『眠りの森』 ...
ノワールもの

震え/ピーター・レナード/ランダムハウス講談社(2009.10.10発行)

アメリカが誇るミステリ界の大御所エルモア・レナードの息子のデビュー作品 夫を事故で亡くしたばかりのケイトと息子のマーク 悪人どもに狙われた二人の孤独な闘いをお楽しみください。 amazonなどのレビューを読むと「まるで映画を見ているよう」との感想が。 確かにスピーディーで速い展開のミステリで、登場人物も個性豊かで面白い。 原題は「QUIVER」震えるの意味ではなく、矢筒の矢と訳した方が本作に適して...
番外編 日本の作家

[番外編]眠りの森/東野 圭吾/講談社文庫(1992.4.15発行)

加賀恭一郎シリーズの第2作 大学生だった加賀は刑事になって登場する。 物語は「葉瑠子が人を殺した、という知らせが入った」という書き出しで始まる。 本作を原作としたテレビドラマも製作され、テレビ朝日で1993年に放送された。 1992年4月15日講談社文庫より発行 第1作『卒業 雪月花殺人ゲーム』 ...
女性刑事(捜査官)もの

ダーク・サンライズ/デイヴィッド・ハンドラー/講談社文庫(2009.11.13発行)

映画評論家のミッチ・バーガーと州警察警部補から村の駐在になったデジリー・ミトリーのシリーズ第4作 ミッチはドーセット村で初めての冬を過ごす。 荒天により外界から隔絶されたホテルの中で起きる密室ミステリ。 2人の相手に対する気持ちの強さ・事件の解決を2人で目指す想定にこのシリーズのファンは大いに楽しめました。 またまた2人とも無傷ではありませんでしたが。 2009年11月13日講談社文庫より発行 第...
2009年文庫

2009年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)

2009年今年のミステリ・ベストテン[2008年10月1日?2009 年9月30日発行の文庫版の海外翻訳ミステリー(エンターテインメント)]もの最初の発表 文庫本に限定してベストテンを選んでいます。総合ベストテンをのせました。 第9位のパトリシア・コーンウェルの作品以外は特に意見はありません。昔の名前だけで何故か「読者が選んだベストテン」のトップに入っているための入賞です。毎年のことであきれ返って...
2009年

犬の力(上)(下)/ドン・ウィンズロウ/角川文庫(2009.8.25発行)

衝撃のミステリは、メキシコ・バハカルフォルニアで幕を開ける。アート・ケラーは銃弾の雨に倒れた19体の屍を前に十字を切る----- 強烈な内容にあっという間に引き込まれます。 麻薬撲滅がなぜできないのか。中南米がなぜ豊な国になれないのか。 泥沼の戦いに勝者はどこにもいません。 メキシコやコロンビアがいつか本当に意味での独立を果たす日がくることを祈って本書を閉じました。 麻薬カルテルとのエンドレスの戦...
2009年文庫

幽霊の2/3 /ヘレン・マクロイ/創元推理文庫(2009.8・30発行)

アメリカのミステリ作家ヘレン・マクロイ(1904-93)が1956年に発表した作品の再刊 精神科医を職業とする探偵の草分け 限られた登場人物のなかで、ひとつずつ謎を解いていくミステリ 古さを全く感じさせません。 物語は、売れっ子作家のエージョントの妻メグ・ヴィージーが、エレヴェーター内においてあったタブロイド紙を見たとたん、血の気が引いた---というところから始まる。 邦訳の題名は気が利いている。...
ジャーナリスト(新聞記者・雑誌編集者)もの

氷姫 エリカ&パトリックの事件簿/カミラ・レックバリ/集英社文庫(2009.8.25発行)

読み終わった後で思わずにやりとしてしまうミステリ。 主人公は、伝記作家のエリカ・ファルクと幼なじみのターヌムスヘーデ警察署刑事のパトリック・ヘードストルム 舞台となるのはスウェーデンのかつては漁業によって生計を立てていた風光明媚な街フィエルパッカ 北欧ミステリの新星が描くシリーズ400万部の話題作 既に第4作まで刊行 物語は「その家は人の気配もなく、寂しかった。----浴槽の中には薄い氷の膜ができ...
番外編 日本の作家

[番外編]卒業 雪月花殺人ゲーム/東野 圭吾/講談社文庫(1989.5.15発行)

新聞の広告に刺激されて久しぶりに読んでみた日本のミステリ 加賀恭一郎シリーズの第1作 限られた登場人物・密室の謎解き。 読み手の興味は、動機は何かに絞られる。 心理描写が海外ミステリに比べたら軽いという印象を受けたが、このシリーズを続けて読んでみようと思いました。 1989年5月15日講談社文庫より発行 1985年デビュー作『放課後』 第31回江戸川乱歩賞受賞 1985年週刊文春ミステリーベスト...
2010(2009年)

水時計/ジム・ケリー/創元推理文庫(2009.9.11発行)

新聞記者だった作家が筆をとった週間新聞『クロウ』の記者フィリップ・ドライデン・シリーズの第1作 舞台はイングランド東部の小さな都市イーリー。洪水が脅威を増すなか、主人公はバートン・フェン農場で殺人者が来るのを待っていた---- ここから物語は一週間前にさかのぼって展開していく。 ドライデンを支えるタクシー運転手ハンフリーとのコンビ・昏睡状態の妻ローズの病状・刑事との関係等これからどうなっていくのか...
2009年

災厄の紳士/D.M.ディヴァイン/創元推理文庫(2009.9.30発行)

パリのメトロの車内で地図を落とした娘にネヴィル・リチャードソンは声をかけた---- 大きな謎が早くから読者に提示され、それが何か知りたくて先を読まずにはいられない素晴らしい構成!! しかし、『ミレニアム1~3』のようにベストセラーにならなかったのには訳がある。 最後の謎解きの部分が不十分で(短すぎる)かつ納得がいかないところがあり、手をぬいたとしか思えない。最後にきて本当にがっかくりときた。それま...
2009年文庫

サイモン・アークの事件簿〈1〉/エドワード・D. ホック/創元推理文庫(2008.12.26発行)

年齢二千歳ともいわれ、超自然現象を追い求める、他の世界・他の時代から来たかのような男サイモン・アークが活躍する短編集10編 サイモン・アーク・シリーズの61ある作品から発表された各年代(50年代から2000年代まで)ごとに選んだ計10編   本書裏表紙には「オカルト探偵が快刀乱麻の推理力で挑む」とあります。 なんとなく、いつのまにか、読んでいる不思議な短編集 ☆2009年文庫翻訳ミステリーベスト1...
2009年文庫

誇りと復讐(上)(下)/ジェフリー・アーチャー/新潮文庫(2009.6.1発行)

物語はダニー・カートライトが満員のレストランの床にひざまずいて、ベス・ウィルソンに求婚したところから始まる。 苦難を乗り越えるようとする主人公を支える仲間たちが、ほほえましく読んでいて心が温まる。 展開の速さと、登場人物たちのユニークさに映画化したらどんなに面白いか。 ☆2009年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第8位 2009年5月28日新潮文庫より発行 筆者紹介:1940年英国生ま...
2010年版(早川書房)

白夜に惑う夏/アン・クリーヴス/創元推理文庫(2009.7.31発行)

シェトランド島の小さな閉鎖的な村に住む人々を細やかに描写し、すごく緻密で計算されつくしたといえる本格推理ミステリ 今年のミステリベストテンものにまた旋風をおこすのでしょうか。 イギリス最北の地 シェトランドを舞台に春・夏・秋・冬それぞれの季節に合わせ<シェトランド四重奏>を奏でる第2作目 主人公はシェトランド署のジミー・ペレス警部 物語は彼の立場だけでなく、一緒に捜査するインヴァネス署のロイ・テ...