海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 男性私立探偵もの 」 一覧

狂人の部屋 ツイスト博士シリーズ

狂人の部屋 ツイスト博士シリーズ/ポール・アルテ/ハヤカワ・ミステリ(2007.6.15発行)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007年)第1位 犯罪学者アラン・ツイスト博士のシリーズ第4作(1990年の作品) 科学的な捜査によって犯人を追い詰める最近のミステリではなく、事件の謎を推理によって解いていく形の伝統的ミステリ 訳者あとがきで「現在のミステリが失ってしまった何か」がこのミステリにはあると書いています。 アラン・ツイスト博士の長編ものシリーズ『第4の扉』『死が招く』…

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ハマースミスのうじ虫/ウィリアム・モール/東京創元社(2006.8.31発行)

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)第13位 本書の裏表紙に「伝説の逸品」とあり、本書解説の方も「ついに復活した—–翻訳も新たに甦ったのだ」と書いています。素人探偵のワイン商キャソン・デューカーが主人公です。 邦題は直訳なのでしょうが、手にするのもちょっと気になる題名と思いませんか。 「ハマースミス街の脅迫者」か「ハマースミス街の奇想」の方がよかったのではないでしょうか。 刊…

スクール・デイズ ロバート・B・パーカー

スクール・デイズ/ロバート・B・パーカー/早川書房(2006.12.15発行)

私立探偵スペンサーのシリーズ第33作 ボストン郊外の私立ハイスクールで2人の少年による銃乱射事件が起き、7人が射殺された。 (アメリカでついこの間の2007年4月16日(月)に米国史上最悪の銃乱射事件「バージニア工科大学銃乱射事件」が起きたばかり。この事件では、33名(教員5名、容疑者1名を含む学生28人)が死亡し、アメリカの学校が現場となった銃乱射事件では史上最大の犠牲者をだした。) 何故このよ…

さよならを告げた夜

さよならを告げた夜/マイクル・コリータ/早川書房

本書は、アメリカ私立探偵作家クラブ新人コンテスト最優秀作。21歳の最年少で受賞。 共に元警官のペリーと相棒のジョーの私立探偵が活躍するシリーズ第1作 ある探偵事務所の経営者の死体が発見され、妻と六歳になる娘は行方不明となった事件の究明を依頼される。2人が探っていくと、事件の裏に市有数の富豪とロシア系マフィアが浮かび上がってくる。 既にのアメリカでは第2作も発行され、第3作を執筆中とのこと。 殺…

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奇怪な果実〈上〉〈下〉ジョン コナリー 講談社文庫

ジョン コナリーは1968年、アイルランド・ダブリン生まれ。 ジャーナリスト、バーテンダー、地元政府の公務員、ウェイター、ロンドンのハロッズ百貨店の雑用係など、さまざまな職業を経て、作家に。1999年に上梓された処女作『死せるものすべてに』はシェイマス賞(アメリカ私立探偵作家クラブ賞)を受賞 本書は2000年の作 日本では2005年10月15日講談社文庫から発行 2年もの間隔が開いたため、第一作(…

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酔いどれ故郷にかえる/ケン・ブルーウン /ハヤカワ・ミステリ文庫

ケン・ブルーウンは、 1951年アイルランドのゴールウェイ生まれ。英語教師の職を経て、1992年Funeralでミステリ作家としてデビュー 2001年に上梓した、元警官の本好き酔いどれ探偵ジャック・テイラーが活躍するシリーズ第1作『酔いどれに悪人なし』は、アメリカを始め世界各国で話題を集め、アメリカ私立探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞。さらにアメリカ探偵作家クラブ賞、マカヴィティ賞、バリー賞にノ…

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死の紅いバラ/ヘザー・グレアム/二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション

ヘザー・グレアムは、イリノイ州生まれ。ロマンス小説作家として確固たる地位を築いている。 本書は二見書房より2005年5月25日発行 ヒロインはTVドラマ女優のセリーナ ヒーローは私立探偵のライアム 訳者が後書きの中で「一筋縄ではいかない大人の恋愛の機微を描くのがとてもうまい作家」と書いていますが、まさにその通りです。 ミステリーよりは、恋愛に・ロマンスに重きがある作品です。 …

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殺意の教壇/リック・リオーダン/ 小学館文庫

リック・リオーダンは、サンアントニオ在住。ミドルスクールで15年にわたり英語と歴史の教師をしていた。 私立探偵トレス・ナヴァー シリーズの第3弾 第1弾「ビッグ・レッド・テキーラ」第2弾「ホンキートンク・ガール」 本書はアメリカで2000年にアメリカで出版された。 本邦初訳で2005年5月1日小学館文庫より発行 舞台はアメリカ・テキサス南部 大学の講師を務められるような教養がありながら、単語のスペ…

処刑宣告 ローレンス・ブロック

処刑宣告/ローレンス・ブロック/二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション(2005.3.25発行)

私立探偵マット・スカダーシリーズ第13作 行動する私立探偵ではなく、頭で考えるタイプの探偵ものです。じっくり考えるミステリーが好きな人に。 依頼内容は弁護士から身辺警護だった—- 本のレビューは決して事前に読まないように 「過去からの弔鐘」で始まったマット・スカダーシリーズは、第9作「倒錯の舞踏」がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞に輝き、第11作「死者との誓い」がPWA(アメリカ私…