海外ミステリの本棚

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骨と歌う女/キャシー ライクス/講談社文庫(2004.4.15発行)

      2015/12/29


検死の女性専門家が活躍するシリーズは、パトリシア・コーンウェルのケイ・スカーペッタ『検屍官』『痕跡』やロバート ウォーカー のジェシカ・コラン『女検死官ジェシカ・コラン』『第六級暴力殺人』『ハワイ暗黒殺人』『ハートのクイーン』『暗黒のクロスボウ』『肩の上の死神』『洋上の殺意』『魔王のささやき』がありますが、これらのシリーズを読んだ方には是非おすすめです。

この作家は、アメリカ法人類学会から正式に認定を受けた法人類学者であり、そのためか、各描写が他の2人よりわかりやすいと思います。

3つのシリーズは、みんな似ていると言えば似ていますが、人によるでしょうが、私はこの作家に一番ひかれました。

この作品は、法人類学者テンペ・ブレナンを主人公とするシリーズの3作目です。

事件の真相の全てがきちんと解明されていない点や、肉親を無理矢理事件に巻き込ませるところなど納得のできないところもありました。

ぐいぐい引っ張ってきてくれるのに、謎解き部分にもっと力を入れてくれたらなと思いました。それでも、読み始めたら止まらないおもしろさです。

なお、前2作の『既死感』『死の序列』は角川書店から刊行されており、今回は講談社文庫から刊行されています。訳者である山本やよいさんは同じですが、作家の名前は「キャシー ライクス(本書)」「キャスリーン レイクス(角川)」となっていますが、同一人物です。4作目以降は、どの出版社でもいいですが、早く出版してください。

本書の邦訳タイトルにはあきれました。「Deadly Decisions」がどうしてこんな題になるの?まさか4作目の題は「骨と歌う女2」じゃないよね。

2004年4月15日講談社文庫より発行

 - 女性検死官(解剖学者・法人類学者・科学者等)もの, 法人類学者テンペ・ブレナン シリーズ, 評価: ☆☆☆☆☆