海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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最終弁護/スコット・プラット/ハヤカワ・ミステリ文庫(2009.3.15発行)

   

2件続けて刑事弁護士もの 前件のマイクル・コナリーのリンカーン弁護士(上)(下)と読み比べると面白いかも。
本件の弁護士は一人ぐらい無実の依頼人にあいたいと思っている、レンジャー部隊あがりのジョー・ディラード
家族を守るためにはどんなこともいとわない。
何件もの刑事事件を嫌われている判事に押し付けられ、警官・刑事・検察官からも嫌われているなか、家族の愛情・ささえを受けて一人奮闘していきます。
法廷ミステリにつきもののスーパーマンの様な調査員がいるわけでもありません。
刑事弁護士の心の持ち方を赤裸々に語った法廷ミステリ。お薦めの作品です。
またジョー・ディラードにあいたいものです。クラブ経営者のアーリーン・バーロウも魅力的な脇役です。
絶対に会いたくないのがでっち上げをいとわない捜査官や相手への復讐や選挙しか考えない検察官。こんな人たちが実際にいると思いたくありません。
原題は「An Innocent Client」 次作も既にアメリカで刊行「In Good Faith」(02 Jun 2009)
2009年3月15日ハヤカワ・ミステリ文庫より発行

筆者は新聞記者やコラムニストとして働いたのち、弁護士の資格を取得して7年間刑事弁護士として活動
そこで力尽きて「小説を書く。年来の夢をかなえたい」その結果生まれたのが本書だそうです。

 - リーガル(法律・法廷)サスペンスもの, 男性弁護士もの, 評価: ☆☆☆☆☆