海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 短編集もの 」 一覧

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殺しのパレード/ローレンス・ブロック/二見文庫-ザ・ミステリ・コレクション(2007.12.25発行)

殺し屋ジョン・ポール・ケラーシリーズ第3弾 9篇からなる連作短編集 電車の中で気軽に楽しむ、殺し屋稼業を続けるケラーの心理を綴った短編集 訳者あとがきにケラーの次回作の紹介が出ています。次作を期待される方は、読まない方がよいと思います。 収録作品 「ケラーの指名打者」「鼻差のケラー」 「ケラーの適応能力」「先を見越したケラー」 「ケラー・ザ・ドッグキラー」「ケラーのダブルドリブル」 「ケラーの平生…

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殺し屋/ローレンス・ブロック/二見文庫-ザ・ミステリ・コレクション(1998.10.25発行)

人情味あふれる(?)殺し屋ジョン・ポール・ケラーが主人公の連作短編集10編 「ケラーの選択」は1994年MWA(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀短編賞受賞 「ケラーの責任」は1998年MWA(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀短編賞受賞 引き込まれること、うけあいの短編集です。あっという間に読みきってしまいました。 殺し屋ケラーシリーズとして第2弾(長編)『殺しのリスト』(2002.6.25)第3弾…

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悲しみは早馬に乗って/ドロシー・ギルマン/集英社文庫(2008.4.25発行)

ドロシー・ギルマンが駆け出しの作家だった1950年代から1960年代にかけて発表した読み切りの短編を日本でまとめたもの 読み終わったあとに心が温かくなるような(ほっと安心するようなものもあります)短編ばかり8篇 訳者は「生きていくうえで、何が大切かという問いかけ」がいつも作品に込められていると述べています。 収録作品『悲しみは早馬に乗って』『夢見る人』『客間のジャイアンツ』『エスケープ』『ダイヤル…

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どんがらがん(奇想コレクション)/アヴラム・デイヴィッドスン/河出書房新社(2005.10.30発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 「物は証言できない」はEQMM短編小説コンテスト第一席受賞作 「さもなくば海は牡蛎でいっぱいに」はヒューゴー賞受賞  ☆ヒューゴー賞 (The Hugo Awards) 1953年に創設された最も歴史の古いSF賞であり、SF界ではもっとも権威のある賞 対象は前年度に英語で発表された作品 「ラホール駐屯地での出来事」はMWA(アメリカ…

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物しか書けなかった物書き/ロバート・トゥーイ/河出書房新社(2007.2.10発行)

このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社<海外>第4位 生涯短編一筋を貫いた短篇作家トゥーイの傑作14篇 表題の作品のようなSF的なものから、借金取りや警官を騙して喜ぶ男の馬鹿話や『階段はこわい』のような生涯の内に4度結婚して4度とも妻を事故で亡くした男の話など多種多様の作品が集まっています。 ミステリが読みたい2008年版 ベスト・ミステリ2007(早川書房)でも第14…

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壁に書かれた予言/ヴァル・マクダ?ミド/集英社文庫(2008.2.25発行)

  2008/04/01    短編集もの, 評価: ☆☆☆

サラ・パラツキーが“はしがき”を書いています「色とりどりの想像力の見本市のような一冊」。 英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞受賞(9作目のミステリー小説『殺しの儀式』)作家が初めて編んだ短編傑作19編 ヴァル・マクダ?ミドの今までの作品 最初に主人公にしたのは調査報道記者のリンジー・ゴードン 続いて私立探偵のケイト・ブラナガンを世に送り出した。「殺しの儀式」「殺しの四重奏」「処刑の方程式」「シャド…

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エムズワース卿の受難録/P.G.ウッドハウス/文藝春秋(2005.12.15発行)

P.G.ウッドハウス選集〈2〉 〈1〉は「ジーヴズの事件簿」 ますますミステリから離れた感があるのですが、とにかく愉快!! 田舎暮らしが好きで領地でのんびり暮らしたい「綿菓子のような頭脳」を持つ老伯爵エムズワース卿が主人公のシリーズの全短編集 不肖の息子 鉄血の妹 頑固な庭師 騒動に揺れる伯爵の領地に平和はいつ来るのでしょうか。 収録作品 「南瓜が人質」「伯爵と父親の責務」 「豚、よォほほほほー…

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ジーヴズの事件簿/P.G.ウッドハウス/文藝春秋(2005.5.30発行)

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第8位 思わずほほえんだり、大声でげらげら笑ってしまう面白さ これってでもミステリなのかな 楽しいものを読みたい方にお薦めします。 P.G.ウッドハウス(1881?1975) 全世界で百年以上も読まれ続けるイギリスの巨匠 60年以上にわたってジーヴズ(従僕)とウースター(若主人)を主人公とした作品を書き続けた。 本書はより抜きの12編に加え特別収録作品1…

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サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ/エドワード D.ホック/創元推理文庫(2000.5.26発行)

2000年週刊文春ミステリベスト10(海外)第3位 時は1992年ノースモストの田舎の医師サム・ホーソーンが若き日を回想して語られる不思議な事件の数々 短編集はあまり好きではないのですが、すっかりはまってしまいました。 次の作品のプロローグが各作品の最後に語られる手法にまんまとやられてしまいました。次の話を読むのをとめることができなくなりました。 医師サム・ホーソーンもの12作と他に1作を収録 …

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ジョン・ディクソン・カーを読んだ男/ウィリアム・ブリテン/論創海外ミステリ(2007.9.5発行)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007)第5位 ミステリーへの深い愛情と鮮やかな謎解き・あふれるユーモアで贈る「?を読んだ?」シリーズ全11篇外に3篇を加えた計14篇の短編集です。 電車の中で読むのに適したミステリファンにとって心から楽しめる短編集です。 ウィリアム・ブリテンはニューヨーク・ロチェスター生まれ 長い間教師の職に 64年にミステリ作家デビュー このミステリーがすごい…

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真夜中に捨てられる靴/デイヴィッド・マレル/ランダムハウス講談社(2007.5.1)

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第8位 表題を含む全8篇の短編集 著者は「ランボー」の原作者 表題の「真夜中に捨てられる靴」は、先を読まずにはいられないし、読み始めたら止まらない短編ミステリです。 サンタフェ市警に勤めるロメロ巡査は、通勤路の道路に落ちている靴に目を留める—- それ以外の作品には、同じ作家が書いたとは思えない、内容が異なるミステリ短編が集まっています …

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10ドルだって大金だ/ジャック・リッチー /河出書房新社(2006.10.30発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第5位 表題「10ドルだって大金だ」を含めて14の短編を集めた1983年に61歳で亡くなった短編集の名手ジャック・リッチーの作品集 わが国で独自に編まれた作品集『クライム・マシン』も過去にミステリーベストテン(2005週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位)に入っていました。 このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)ベスト20宝島社<海外>…

クリスマス・プレゼント

クリスマス・プレゼント/ジェフリー・ディーヴァー/文春文庫(2005.12発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第8位 ジェフリー・ディーヴァーのミステリー短編16作品がつまったもの リンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する表題の「クリスマス・プレゼント」もしっかりとプレゼントされています。 短編があまり好きでなかった私も、この作品集には脱帽です。どの短編がもっとも気にいるか。じっくりとジェフリー・ディーヴァーの世界をお楽しみください。 2006年文庫翻訳…

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クライム・マシン/ジャック リッチー/晶文社ミステリ(2005.9.30発行)

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位 解説の中に「リッチーは可能なかぎりシンプルに書くことにこだわった作家だった。無駄な言葉や描写を徹底的にそぎ落とすこと」と彼の作風が紹介されています。 ジャック・リッチー(1922-1983) はアメリカの作家 で、短篇ミステリーのスペシャリスト 全て殺人が絡む傑作17篇を収録したオリジナル傑作集 気軽に読める作品と真剣に読まないとわかりにくい作品…

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輝く断片/シオドア・スタージョン/奇想コレクションシリーズ 河出書房新社

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第2位 シオドア・スタージョンのSF色の弱い作品を中心に組まれた短編集 シオドア・スタージョンは1918年ニューヨーク生まれ SF・幻想作家 アメリカ文学史上最高の短編作家とも言われている。 短編集は敬遠される方も一度手にしてみてください。高い評価がうなずけると思います。 2005年週刊文春ミステリベストテンでも第3位 このミステリーがすごい…