海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 霊的なものや原住民の知恵を授かるミステリ 」 一覧

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迷惑なんだけど?/カール・ハイアセン/文春文庫(2009.7.10発行)

カール・ハイアセンの13作目の長篇小説 めちゃくちゃに愉快で痛快な、たくましく生きる女性を賛美したエンターテイメント。もしあなたが落ち込んでいるなら必読の作品です。 笑いすぎて電車の中では読めないかも。 邦訳では前作にあたる『復讐はお好き?』 は ☆2007年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位 ☆このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社<海外>第2位 ☆闘うベストテ…

黒い氷

黒い氷/オーサ・ラーソン/ハヤカワミステリ文庫(2009.5.15発行)

女性弁護士レベッカ・マイティソンのシリーズ第3作 アンナ=マリア・メラ警部と同僚のスヴェン=エリック・ストールナッケは、凍結した湖で女性の死体が発見された事件の担当になる— レベッカは、長い闘病生活の後、精神隔離クリニックを退院して故郷のキールナに戻る。地元の特別検事の職に6ヶ月の仮契約で雇われることになり、事件にかかわっていく。 登場人物たちがそれぞれ非常に個性的でユニークで本当に面白い。 …

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弔いの炎/デレク・ニキータス/ハヤカワ文庫(2009.4.15発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ(The Mystery Writers of America =MWA)最優秀処女長篇賞ノミネート作品 主人公は16歳の誕生日が間近の女子高校生ルシア・モーバークと女刑事のグレダ・ハード(帯にはもう一人入れていたけど) 舞台はニューヨーク州郊外の町ロチェスター 訳者は「文学の香り高いサスペンス」と、出版社は「心理サスペンスの傑作」と紹介 やたらに体調の悪い人がです…

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会員制殺人サイト(上)(下)/ピーター・ジェイムズ/ランダムハウス講談社(2008.12.10発行)

9年前に妻が失踪 霊媒や超能力者のちからを信じる異色の警視ロン・グレイスを主人公とするシリーズ第2作   〈警視グレイス〉シリーズは世界26ヵ国語に翻訳累計200万部を超えるベストセラー 読んでいると彼と同じ時立場になって考えている自分がいる。それほど夢中になれるミステリ。読み終えたくなかった。 絶対にお勧めの警察ものミステリ。是非第1作『1/2の埋葬(上)(下)』からお読み下さい。 物語は、脚…

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ジャマイカの迷宮/ボブ・モリス/講談社文庫(2009.3.13発行)

元アメフト選手のザック・チェイスティーンが主人公のシリーズ第2作 爽快な気分になれるミステリ 相棒のボギーの不思議な力も魅力です。必読のシリーズの一つです。 ジャマイカに行ってみたくなりました。 是非第1作からお読み下さい。 アメリカでは既に4作目までが刊行され、5作目が刊行予定となっています。 2009年3月13日講談社文庫より発行 第1作『震える熱帯』 著者紹介:米国フロリダ生まれ。地元フロリ…

老検死官シリ先生が行く

老検死官シリ先生が行く/コリン・コッタリル/ヴィレッジブックス(2008.8.20発行)

主人公はラオスでただ一人の検死官73歳のシリ・パイプーン 原題は『Coroner’s Lunch』 物語は1976年10月ラオス人民共和国 トランとトランとホクの三人がナイロンテープで結びつけられた錆びた(さびた)爆弾に引っ張られて、みぞれのように落下して行くところから始まる。 これはめちゃくちゃ面白い!!!! この作品を読み終えてしまうのは残念でたまりませんでした。 何故日本のベストテンものに一…

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1/2の埋葬(上)(下)/ピーター・ジェイムズ/ランダムハウス講談社(2008.1.7発行)

ロン・グレイス警視を主人公とするシリーズ第1作 本国では第3巻まで発表されています。 イギリスで発表されるや2ヶ月間もベストセラーリスト入り フランスでは二つの賞(Prix Coeur Noir)(Le Prix Polar International)を受賞 <警視グレイス>シリーズは世界26ヶ国語に翻訳、計200万部のベストセラーになっているそうです。 9年前に妻が失踪 霊媒や超能力者のち…

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煉獄の丘/ウィリアム・K・クルーガー/講談社文庫(2007.1.16発行)

コーク・オコナー元保安官のシリーズ第3作  第1作『凍りつく心臓』第2作『狼の震える夜』  既にこのシリーズは、アメリカで第6作まで刊行されています。 オジブワ族の長老が「わしらが価値を置くのは富そのものよりも、いかに富を使うかだ」という言葉と実践はとても心に強く残りました。 主人公の家族に対する愛情の深さ・主人公の推察やアメリカ原住民たちのすがすがしい心のすばらしさに打たれて、このシリーズのとり…

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震える熱帯/ボブ・モリス/講談社文庫(2006.11.16発行)

またまたフロリダから全く新しいタイプのヒーローの誕生 2005年アメリカMWA賞処女長編部門候補作となったサスペンス フロリダからは多くの作家が誕生していますが、自然に恵まれているからなのでしょうか。 是非一度お読みください。フロリダの空のように爽快な気分になれます。 アメリカでは2005年既に第2作を発表 来年には第3作の刊行予定だそうです。 何れも本書のヒーロー 元アメフト選手のザック・チェイ…

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狼の震える夜/ウィリアム・K・クルーガー/講談社文庫(2003.1.15発行)

コーク・オコナー元保安官のシリーズ第2作 自然と共生するインディアンの人々の心の美しさがいつまでも心に残ります。 物語の舞台はミネソタ州オーロラの街。 厳しい冬迫るこの小さな町で元保安官で、いまは観光客相手のハンバーガー・ショップを営むコーク・オコナーは、消息を絶った人気女性歌手捜しの手伝いを引き受けた—- 「われわれは死なない。子どもたちに伝えていくものを通して、生きつづける。おまえの中には…

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凍りつく心臓/ウィリアム・K・クルーガー/講談社文庫(2001.9.15発行)

1999年アンソニー賞・バリー賞ダブル受賞作品 ネイティブ・アメリカンの血を引くアイルランド系の元保安官コーク・オコナーのシリーズ第1作 カナダに近いミネソタの北部美しいアイアン湖畔の町オーロラ―での物語。吹雪の中、行方不明になった新聞配達の少年を探しに行った先で、老判事の死体が発見された—- ネイティブ・アメリカンの一族に伝わる伝説がいろいろなと教訓を与えています。 ☆アンソニー賞(Ant…