海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 週刊文春ミステリーベスト10 」 一覧

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赤い霧/ポール アルテ/ハヤカワ・ポケット・ミステリ

2004年週刊文春ミステリベストテン第10位 舞台は19世紀末のイギリスのブラックフィールドという村 新聞記者のシドニー・マイルズを名乗る男が十年ぶりにこの村で10年前に起こった密室殺人事件を調べるために帰ってきた。 密室の謎解きの大好きな人や『ホ・・・』と『ワ・・・』まで登場するので、英国ミステリーのファンには見逃せない物語です。個人的には、密室の謎解きものにはあまり興味がないので、評価が低くな…

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荊[いばら]の城 (上)(下)/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫(2004.4.22発行)

このミステリーがすごい!2005年度(宝島社)第1位 ミステリーが好きだったら、一度は読んでみる価値のある作品です。  本作品は英国推理作家協会賞の歴史ミステリ部門にあたるエリス・ピーターズ・ヒストリカル・ダガー賞を受賞 ブッカー賞最終候補作品 舞台は19世紀半ば、ロンドンのラント街。表向きは錠前屋だが、盗品を転売するイッブズ親方・事情がある女から赤ん坊を預かり、引き取り手を見つけるサクスビー夫人…

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誰でもない男の裁判/A・H・Z・カー (著) /晶文社ミステリ

2004年週間文春ミステリーベストテン第5位 貨幣の価値に時代を感じる他は全く時代を感じさせません。あなたはどの短編に一番高い評価を与えるでしょうか。私は読んだ後にさわやな気持ちになれた、最後の作品が気に入りました。 短編集なので、電車の中で読むのにも適しています。 A・H・Z・カーはアメリカの政治経済学者・作家 1902年生まれ1971年没 トルーマン大統領の特別補佐官を務め、経済界でも成功を収…

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半身/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫

2003年海外週間文春ミステリーベスト10 輝く第1位 舞台は19世紀のイギリス ミルバンク監獄(実在) うーん!!!! やられたと思える素敵なミステリです。 最初の6ページがとてもわかりにくく、170ページまでくらいまで読んでから読み返しました。主語が跳んでいて、誰の言葉かわからないし、読んだばかりでは人間関係もわからないので理解しにくい。ここをとりあえず乗り切れば、不思議な世界に入っていけます…

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ダーク・レディ〈上〉〈下〉/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(2004.9.1発行)

このミステリーがすごい!2005年度版(2004年)第7位 6年と9カ月栽判で負けていない検察局殺人課課長を務め”ダーク・レディ”の異名を持つ女性検事補ステラ・マーズが主人公 検事補が主人公ながら、法廷ミステリというよりも選挙が絡んだポリティカル(政治)ミステリといってよいかも。 とにかく面白い。先をどんどん読みたい気持ちと読んでしまったらこの物語から離れなければならなくなるのはいやだという気持ち…