アルファベットハウス/ユッシ・エーズラ・オールスン/ハヤカワポケットミステリ(2015.10.10発行)
「特捜部Q」のシリーズの作家が送る第2次世界大戦と精神を病んでいるかもしれない人物とを結び付けた物語。
筆者あとがきで、「これは戦争小説ではない。」「人間関係の亀裂についての物語である。」
先を読まずにはいられない構成に、本にはまってしまいます。
ただし名前を覚えるのに一苦労。乱数票を用意して誰が誰だった一目でわかるようにして読んだ方がよいかも。
英国軍パイロットのブライアンとジェイムズはドイツ上空で撃墜され、ドイツ守備隊に包囲される。二人は装甲機関車に飛び乗り、かろうじて脱出するが、その列車はナチス親衛隊の傷病列車だった。搬送先は精神病患者に人体実験を施す通称「アルファベット・ハウス」—
戦争における極限状態に置かれた人々の友情と愛の物語。
本の裏書を読んでから本編を読む癖のある人に警告。この本の裏書は絶対に読んではいけません。557ページの作品の240ページにわたる第1部の大事な部分と要約がすべて書かれてしまっています。決して読んではいけません。 「ポケミス1900番記念作品『特捜部Q』のユッシ・エーズラ・オールスンの傑作!」と出版社の担当者、力が入りすぎて勇み足をしたのでしょうか。
2015年10月10日ハヤカワポケットミステリより発行
<「特捜部Q」のシリーズ>
「檻の中の女」
「キジ殺し」
「Pからのメッセージ」
「カルテ番号64」
「知りすぎたマルコ」
「吊るされた少女」
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評価: ☆☆☆☆☆