海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 女性私立探偵もの 」 一覧

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押しかけ探偵/リース・ボウエン/講談社文庫(2010.6.15発行)

☆2003年アガサ賞(AGATHA AWARDS)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)ノミネート作品 物語の舞台は、1901年のニューヨーク 22歳のアイルランド人女性モリー・マーフイが主人公の待望のシリーズ第2作 前作からちょうど3年の年月を経て第2作が登場しました。ちょっとばかり待たされすぎです。 初めてお読みになる方は必ず第1作からお読みください。 女性に職業選択の自由がほとんどなかった時代…

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ピーナッツバター殺人事件/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2005.6.17発行)

<海の上のカムデン騒動記>シリーズ第4作 材木問屋の秘書をしているカルメラは、通勤で使っている車の故障でその日線路の上を歩いていた。そして発見したものは列車に轢かれた轢死体だった—– 轢かれた男は<海の上のカムデン>の入居者エドナと親しく付き合ってたが、エドナはマーティネス警部補らの質問にただ泣くだけで全く答えようともしない。 そこで我らが老探偵団アンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲ…

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フクロウは夜ふかしをする/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2003.3.28発行)

<海の上のカムデン騒動記>シリーズ第3作 人よりも植物が好きなカムデンの庭師が殺害されるところから物語は始まります。 老婦人探偵団(?)のアンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲイトとマーティス警部補・スワンソン刑事とのやりとりが主人公のこのシリーズ。 今回はいつになく真剣な内容です。 2003年3月28日創元推理文庫より発行 本文から抜粋 聖歌隊に老人を入れると 「高音に届かない嗄れ声。ほと…

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氷の女王が死んだ/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2002.4.26発行)

<海の上のカムデン騒動記>シリーズ第2作 本書を老人ホームミステリに分類したりしたら、老婦人探偵団のアンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲイトにしかられて口を利いてもらえなくなるかも。 マーティネス警部補とスワンソン刑事にも会いたくなって本書を開きました。 「<海の上のカムデン>全入居者の中から、いちばんの嫌われ者を選ぶコンテストがあれば、エイミー・キンゼスがぶっちぎりで優勝していたはずだっ…

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老人たちの生活と推理/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2000.7.24発行)

舞台はカルフォルニアのサンディエゴ市近郊の高級老人ホーム<海の上のカムデン> <海の上のカムデン>は高い入居費と毎月高額の家賃、自分が誰なのか分からなくなったら付属の病院に入居できるという老人の楽園 この楽園からプライベートビーチにおりる階段の下、入居者の元図書館司書が死体で発見された。 バックには大金が、指にはダイヤの指輪が残されたままだった—– 老婦人探偵団とマーティス警部補・スワンソン…

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砂漠のゲシュペンスト(上)(下)/フランク・シェッツィング/ハヤカワ文庫(2009.8.15発行)

『深海のYrr(イール)』(2004年刊行)で日本ミステリ界に衝撃を与えたフランク・シェッツィングが1997年に発表した・作家として第3作目が本書 『深海のYrr(イール)』は ☆2008年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第3位 ☆ミステリが読みたい2009年版 ベスト・ミステリ2008(早川書房)第5位 ☆2008年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 ☆このミステリーがすごい!2…

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ワタリガラスはやかまし屋/クリスティン・ゴフ/創元推理文庫(2009.1.30発行)

バードウォッチャー・ミステリシリーズ第1作(既にアメリカでは第5作まで刊行済み) 2ヶ月前夫の浮気を目撃したクリエィティブ・デザイナーのレイチェル・スタンホープはプレゼンテーションが終わった直後、夫からの婚姻解消の申立書を受け取った。 ひと夏をロッキーマウンテン国立公園に隣接するミリアム叔母の農場で過ごすことにしたことから物語は始まる。 急行から各駅停車に乗り換えるのをあやうく忘れてしまうほど、い…

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スコッチに涙を託して/デニス・レへイン/角川文庫(1999.5.25発行)

1995年度シェイマス賞最優秀処女長編賞受賞作品 ボストンの私立探偵パトリック・ケンジーとアンジェラ・ジェナーロのシリーズ第1作 依頼は非常に重要な法案の証拠書類を回収して欲しいという二人の上院議員からのものだった—- 私立探偵の二人は幼なじみ。 二人のためならどんな危険もいとわない友人の社会病質者のブッハ・ロゴウスキー・辛らつな記事を書く新聞記者のリッチ・コルガンなど二人の周囲の登場人物も忘…

冬そして夜

冬そして夜/S・J・ローザン/創元推理文庫(2008.6.27発行)

私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第8作 大好きなこのシリーズが2008年週刊文春ミステリベスト10(海外)第6位 このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社第7位 ニューヨーク・ミッドタウン署の刑事から、知り合いだと言っている14?15歳くらいの少年を保護しているとの連絡がはいり、スミスは署へ—- 2003年度のMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞…

天を映す早瀬

天を映す早瀬/S・J・ローザン/創元推理文庫(2006.11.24発行)

私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第7作 原題は「REFLECTING THE SKY」 今回の依頼は薬種店主のガオ・ミエンリヤンおじいさんから 香港にいる親友だった故人の孫に形見の翡翠を渡すこと、遺骨を埋葬のため香港に運ぶこと しかも相棒と二人でいう条件付 ビジネスクラスにのってルンルンで香港に降り立ったリディア・チンを待ちうけていたものは— 2006年11月24日創元推理文庫よ…

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春を待つ谷間で/S・J・ローザン/創元推理文庫(2005.8.31発行)

私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第6作 今回の語り手は順番どおりビル・スミス  マンハッタンを離れ休暇を過ごすためにアップステートニューヨーク※に買った山小屋のある小さな町で依頼を受けた。 ※マンハッタンとナイアガラの滝の中間地域・広大なニューヨーク州北部地域をさす 依頼の内容は盗難にあった女性からで、盗まれたものの中で絵だけを密かに回収することだった—- 2005年8月31日創…

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苦い祝宴/S・J・ローザン/創元推理文庫(2004.1.30発行)

エントリーした本がちょうど500冊になりました。 私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第5作 今回はリディア・チンが語り手 依頼は中華料理店の従業員たちの小さな組合の労働争議を見守り、起きるかも知れない揉め事の証人として待機することだった。それだけで終わるはずがないのが我らがリディア・チン—- 二人の関係に少しは進展があったといっていいのかな。 2004年1月30日創元推理文庫より発…

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どこよりも冷たいところ/S・J・ローザン/創元推理文庫(2002.6.28発行)

1998年アンソニー賞(ANTHONY AWARDS※バウチャーコン(Bouchercon)参加者の投票で選ばれる賞)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)受賞作 1998年シェイマス賞(SHAMUS AWARDS※アメリカ私立探偵作家クラブ(The Private Eye Writers of America = PWA)の選考委員会が選ぶ賞)ノミネート作品 私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシ…

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新生の街/S・J・ローザン/創元推理文庫(2000.4.21発行)

私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第3作 今回はリディア・チンが語り手  . 新進デザイナーの発表前の春物デザインが盗まれ現金の要求があり、代金引渡の仕事の依頼が兄のアンドリューを通してリディアに。安全な仕事だったはずが—- 原題「MANDARIN PLAID」 ※PLAID(格子縞)  ここでは「マンダリン・プレイド」は依頼主の新進デザイナーのブランド名 ところで二人の間に進展は…

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かぼちゃケーキを切る前に お料理名人の事件簿2/リヴィア・J・ウォッシュバーン/ランダムハウス講談社(2008.6.10発行)

小学校の秋祭りでPTO(保護者教師機関 従来のPTA)の資金集めのためにヘルシースナックのコンテストとケーキのオークションに協力することになった(もと歴史科教師で下宿屋を営む)フィリス・ニューサムたち。またまた殺人事件に遭遇することに—- お菓子づくしシリーズ第2弾 できれば第1弾『桃のデザートには隠し味』からお読み下さい。 小さな町に起きる身近な殺人事件を謎といていくミステリ。推理をお楽しみ…