海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 女性私立探偵もの 」 一覧

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翡翠の眼/ダイアン・ウェイ・リャン/ランダムハウス講談社(2008.6.10発行)

私立探偵が合法化されていない中国・北京を舞台に女性第1号の私立探偵王梅(ワン・メイ)が活躍するシリーズ第1作 世界13カ国語に翻訳され話題を呼んだ。 2008年北京オリンピック開催の中国の実際の生活ぶりがとてもよく伝わってきます。本書の設定は、今から10年前というものですが、知られざる国、理解を超える国中国の一面を垣間見ることが出来ます。 中国の生活ぶりを伝えたい為にミステリの形をとって発表したの…

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ピアノ・ソナタ/S・J・ローザン/創元推理文庫(1998.12.25発行)

私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第2作 1996年シェイマス賞(アメリカ私立探偵作家クラブ(The Private Eye Writers of America = PWA)の選考委員会が選ぶ賞)最優秀長編賞受賞作品 今回はビル・スミスが語り手となって綴るあっという間に引き込まれた私立探偵の物語 伊達に賞を取ってはいません。 老人ホームの警備員が殴り殺された。犯人を捜すよう依頼された…

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カモミール・ティーは雨の日に お茶と探偵⑥/ローラ・チャイルズ/ランダムハウス講談社(2008.5.9発行)

世界中のおいしいお茶とお菓子がいっぱいの美味しいストーリー ティー・ショップを営むセオドシアは36歳(但し第1作当時)。アメリカ屈指の茶葉鑑定人ドレイトン・コナリーと、一流の菓子職人ヘイリー・パーカーの3人で切り盛りする店は、いつも常連客でいっぱい。 「詩とお茶の会」のクライマックスで雷鳴とともに響く銃声 セオドシアの焼いたケーキの上に落ちてきた被害者は、わずか数分前にお茶の差し入れをした人物だっ…

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チャイナタウン/S・J・ローザン/創元推理文庫(1997.11.28発行)

私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第1作 28歳のカンフー黒帯で無鉄砲で意地っ張りな中国人女性私立探偵が年齢も育ちもかけ離れた白人探偵と二人で組んで依頼された事件に取組むシリーズ チャイナタウンの美術館から寄贈された貴重な磁器のコレクションの一部分が盗まれ、美術館の館長の旧知リディアに盗品の発見を依頼された探偵リディアはパートナーたるビルと共に調査に—- 友人の女性刑事メアリー・薬…

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桃のデザートには隠し味 お料理名人の事件簿1/リヴィア・J・ウォッシュバーン/ランダムハウス講談社(2007.12.1発行)

主人公はもと歴史科教師で下宿屋を営むフィリス・ニューサム 桃の名産地のテキサス北部の平和な田舎町ウェザーフォードで3人のもと女性教師達と暮らしています この平和な町ウェザーフォードで果樹園のオーナーがジャッキでつぶされる事件が起こり、これを手始めに次から次に——- 事件に巻き込まれたフィリスは素人探偵に 気軽に読めるけれど、出された命題(児童虐待・セクシャルハラスメント・介護問題等)は深い…

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口は災い/リース・ボウエン/講談社文庫(2007.6.15発行)

☆2002年アガサ賞(AGATHA AWARDS)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)受賞作品 物語の舞台は、1901年のアイルランドとニューヨーク 22歳のアイルランド人女性モリー・マーフイが主人公 あっという間に読みきってしまいました。本書が、アガサ賞最優秀長編賞を受賞したことが納得できます。 他人になりすましアメリカ行きの移民船に乗り込んだモリーに、上陸直前におきた殺人事件の容疑が—–…

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サムライの娘/ドミニク・シルヴァン/小学館文庫(2007.5.15発行)

元パリ警視のローラ・ショストとマッサージ師のインクリッド・ディーゼルの探偵(?)コンビのシリーズもの第2作  内容がたっぷりとありすぎて、整理しながら読まないとこんがるがるかも。 第1作の『欲望通りに住む女』 に続き、すぐに本書第2作が出版されたことは、本当に驚きです。 小学館さん、ありがとうございます。(わずか2ヶ月で発行) 第1作も第2作も映画化されたらヒット間違いなしと思うのですが、そんな話…

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欲望通りにすむ女/ドミニク・シルヴァン/小学館文庫(2007.3.1発行)

東京在住のフランミステリー作家による傑作ミステリー 元パリ警視のローラ・ショストとマッサージ師のインクリッド・ディーゼルの探偵コンビのシリーズもの第1作 二人の活躍に心が躍ります 早く続編が読みたい。とにかく面白い。映画化も期待したいほどの傑作です。 題名にはとらわれずに是非お読み下さい。本当にお勧めの作品です。 2007年3月1日小学館文庫より発行 …

ウィンディ・ストリート

ウィンディ・ストリート/サラ・パレツキー/早川書房(2006.6.15発行)

女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第12作 VIC FAN CLUB(ヴィク・ファン・クラブ)の新作告知ニュースに「母校の恩師が病に倒れ、替わりに女子バスケットボールのコーチを引き受けたヴィク。選手の母が勤める町工場へのいやがらせ行為の調査を始めたことから、弱者を搾取する巨大企業と対決する羽目に。」と紹介されています。 今度はどんな活躍を見せるのか。それは読んでからのお楽しみです。 また…

ブラックリスト

ブラック・リスト/サラ・パレツキー/早川書房(2004.9.23発行)

2004年英国推理作家協会(CWA)最優秀長篇賞(THE GOLD DAGGER)受賞作品 女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第11作 謎解きよりも根性ある女性探偵V・I・ウォーショースキーの人間関係・交友関係に没頭してしまう シリーズです。 2004年9月23日早川書房より発行 …

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手袋の中の手/ レックス・スタウト/ハヤカワ・ミステリ

1975年に亡くなった巨匠レックス・スタウトが生み出した女性探偵ドル・ボナーが活躍する作品 早川書房より2006年4月15日発行 解説の中で「この女性探偵は時代に先行しすぎたのか、当時???人気は得られませんでした。」とあります。 現在なら人気の女性探偵シリーズになっていたことでしょう。作家が既に亡くなっているのがとても残念です。 …

ビター・メモリー

ビター・メモリー(上)(下)/サラ・パレツキー/ハヤカワミステリー文庫(2006.5.9発行)

女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第10作 このシリーズ第1作『サマータイム・ブルース』(1982年)を夢中で読んだ記憶があります。 “女性私立探偵小説”の一大奔流を築いたサラ・パラツキー。日本にファンクラブまであります。 1995年の英国推理作家協会(CWA)賞シルヴァー・ダガー賞(『ダウンタウン・シスター』) 2002年の同賞ダイヤモンド・ダガー賞 2004年には『ブラック・リスト』…

ハードタイム

ハード・タイム/サラ・パレツキー/ハヤカワミステリ文庫(2004.8.15発行)

女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第9作 女性探偵ものを読んでみたい方にはこのシリーズを推薦します。 自らの危険を全く顧みず、がんばってがんばって事件の究明にまっしぐらの姿勢。 正義を貫こうとする意思の強さ。 女性探偵V・I・ウォーショースキーを心から応援して読んでいく本です。 2004年8月15日ハヤカワミステリ文庫より発行 …

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バースデイ・ブルー/サラ・パレツキー/ハヤカワミステリ文庫(1999.5.28発行)

女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第8作 あと四ヶ月で40歳を迎えるわたしの身辺は憂鬱なことばかり。ビルの地下室にホームレスの母子が隠れ住んでいるのを偶然見つけ、彼らを救いだそうと—– 一作ごとにちゃんと年を取ってきたV.I.は本書では四〇歳の誕生日を迎えます。 <女性探偵V・I・ウォーショースキーの紹介> シカゴに住む金融関係の調査が専門の私立探偵 シカゴ大学のロースクール卒業の…

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このペン貸します―ジェイン・オースティンの事件簿/ローラ・レバイン/集英社文庫(2005.2.24発行)

猫のプロザックと暮らす離婚したばかりの36歳のフリーライタ?のジェイン・オースティンが主人公 ラブレターを代筆したことで巻き込まれた殺人事件に、自らかかわっていきます。 ユーモアあふれる内容で、軽快に読んでいけます。「男とは、駐車場みたいなものだと(いい場所は全部ふさがっている)」なんて表現には笑ってしまいます。 アメリカでは続編として2作品が既に発表されており、ジェイン・オースティンは、女性探偵…