海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 女性刑事(捜査官)もの 」 一覧

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訣別の海/ロバート・B・パーカー/ハヤカワ文庫(2010.2.15発行)

ついこの間、海を渡って著者の訃報が届いたばかり<「スペンサー」シリーズのロバート・B・パーカー氏、ハードボイルドに死す 2010.1.17> 警察署長ジェッシィ・ストーン シリーズ第5作 マサチューセッツ州の田舎町パラダイス町(架空の町)・精神科医のカウンセリングを受け離婚した妻ともう一度やり直そうとしている警察署長が主人公 なお、本書はTVムービーになっており、ムービーは本書とははなはだ違う内容…

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警視の孤独/デボラ・クロンビー/講談社文庫(2010.2.13発行)

ダンカン・キンケイド警視とジュマ・ジェイムズ警部補のシリーズ第10作 約3年ぶりのこのシリーズ 今回は特に面白く、一気に読んでしまいました。 放火犯の独白から始まる物語 焼け跡から見つかった女性の死体の身元は—– 捜査線上には行方不明の女性が何人も見つかり、子供の誘拐と立て続けて事件は起きる。 是非第1作からこのシリーズにはまってください。 2010年2月13日講談社文庫より発行 原題は「I…

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この邪悪な街にも夜明けが イブ&ローク22/J・D・ロブ/ヴィレッジブックス(2009.12.19発行)

舞台は2059年11月のニューヨーク プロローグは「死は少女にほほえみかけ、頬に軽くキスした。」という一文で始まる。 人気のイブ&ローク シリーズ第22弾 ロマンス小説の人気作家が書くだけにラブシーンも素敵ですが、ただひたすらに被害者を守り、正義を追い続けるイブをいつの間にか応援していました。 2009年12月19日ヴィレッジブックスより発行   ※アメリカで発行されたもので日本では発行されてい…

ダーク・サンライズ

ダーク・サンライズ/デイヴィッド・ハンドラー/講談社文庫(2009.11.13発行)

映画評論家のミッチ・バーガーと州警察警部補から村の駐在になったデジリー・ミトリーのシリーズ第4作 ミッチはドーセット村で初めての冬を過ごす。 荒天により外界から隔絶されたホテルの中で起きる密室ミステリ。 2人の相手に対する気持ちの強さ・事件の解決を2人で目指す想定にこのシリーズのファンは大いに楽しめました。 またまた2人とも無傷ではありませんでしたが。 2009年11月13日講談社文庫より発行 第…

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悪意の森(上)(下)/タナ・フレンチ/集英社文庫(2009.9.25発行)

久々に本気にさせた刑事ものミステリ 絶対にお勧めです。 ☆2008年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)(エドガー)賞最優秀処女長篇賞受賞作品 ☆2008年アンソニー賞(ANTHONY AWARDS)最優秀処女長篇賞受賞作品 ☆2008年バリー賞(THE BARRY AWARDS)最優秀処女長篇賞受賞作品 ☆2008年マカヴィティ賞(MACAVITY AWARDS)最優秀処女長篇賞受賞作品 1984年…

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天使は同じ夢を見る/エリカ・スピンドラー/ハーレ・クイン MIRA文庫(2007.8.15発行)

主人公はロックフォード警察署女性刑事のキット・ラングラン 5年前の2001年10歳の少女が子供部屋のベットの中で殺されるという連続殺人事件が起こった。眠れる天使殺人犯と呼ばれた事件は迷宮入りをした。 そして5年後— 娘を病気でなくし、離婚し、アルコール依存症の治療中という主人公 あたらに女性刑事メアリー・キャサリン・リッジュと組んで事件の解決にあたります。 2007年8月15日MIRA文庫より…

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弔いの炎/デレク・ニキータス/ハヤカワ文庫(2009.4.15発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ(The Mystery Writers of America =MWA)最優秀処女長篇賞ノミネート作品 主人公は16歳の誕生日が間近の女子高校生ルシア・モーバークと女刑事のグレダ・ハード(帯にはもう一人入れていたけど) 舞台はニューヨーク州郊外の町ロチェスター 訳者は「文学の香り高いサスペンス」と、出版社は「心理サスペンスの傑作」と紹介 やたらに体調の悪い人がです…

殺人倶楽部へようこそ

殺人倶楽部へようこそ/マーシー・ウォルシュ&マイクル・マローン/文春文庫(2009.3.10発行)

29歳のニュージャージー州グロリア市刑事課の女性巡査部長のジェイミー・フェッラーラが主人公 2作続けて面白くないミステリだったらどうしようと思いながら、途中で何度かやめようかと思いました。 高校時代の友人たちをめぐるこのような設定はどこかで読んだような。  最後まで読みましたが、ミステリとしては緻密さに欠け、動機説明もいまいちで納得がいくものではないし、お勧めできるものではありません。 もう少し丁…

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ねこ捜査官ゴルゴンゾーラとハギス缶の謎/ヘレン&モーナ ・マルグレイ/ヴィレッジブックス(2009.2.20発行)

動物が好きなので期待していたのですが、166ページで挫折しました。 猫好きミステリファンでさえもとても読み続けられません。 166ページまできても、猫のゴルゴンゾーラはほとんど活躍の場はなく、おいしそうなペットフードを食べているだけです。 ミステリの方は、ばかばかしくて読んでいられません。 2009年2月20日ヴィレッジブックスより発行 筆者紹介:英国エディンバラ在住 英語教師から転進  双子の姉…

警部補デリーロ

警部補デリーロ/スコット・フロスト/集英社文庫(2009.1.25発行)

2006年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞(エドガー賞とも呼ばれる)処女長編賞ノミネート作品 カルフォルニア州パサデナ市の女性警部補アレックス・デリーロのシリーズ第1作 物語は、娘がローズクイーンの最終選考に出場し、会場にいる警部補デリーロがコンテストの女王の発表を見守っているところから始まります。 後はノンストップの心理スリラー(?)のミステリ 一気に最後まで読んでしまいました。これまたお勧め…

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ヒラムの儀式(上)(下)/エリック・ジャコメッティ +ジャック・ラヴェンヌ/講談社文庫(2009.2.13発行)

1945年4月25日、ベルリン陥落寸前のドイツ第3帝国首相官邸、ある上級大隊指揮官が受けた指令は、ベルリンを密かに離れ、木箱を予定された隠し場所に埋めろというものだった。 物語は、ここから始まり、舞台はすぐ20005年5月のローマに移る—– ナチスでなくフリーメーソンが主題の壮大な歴史ものミステリ 人間が人間に対してできることに限界がないことを改めて知らされました。 ”庭師”は怖すぎます。 …

シルバー・スター

シルバー・スター /デイヴィッド・ハンドラー/講談社文庫(2009.1.15発行)

映画評論家のミッチ・バーガーと州警察警部補から村の駐在になったデジリー・ミトリーのシリーズ第3作 プロローグは、ミッチにかかってきた「手遅れだ。後の祭り。死刑執行人がもう行かせてやる時だと言っている。」という電話から—- このシリーズはミステリの謎解きや意外性では普通なのですが、人間の心の優しさに触れられるのでとても気に入っています。 人間に対する厳しい目と優しい目が作品の根底をながれているか…

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スリーピング・ドール/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2008.10.10発行)

本を途中で閉じて、ゆっくりと本の表紙をながめる。これからいったいどうなるのか。 先が楽しみで、なかなか新たに本を開けることができない。そんなミステリ。 物語は、主人公カルフォルニア州捜査局捜査官「キネシクス」分析の天才キャサリン・ダンスの尋問から始まった。  ※キネシクス ボディーランゲージ分析・人間の所作や表情を読み解いて相手の感情を推し量ること。 一家4人を惨殺した”マンソンの息子”の異名を…

ロミオ ロバート・エリス

ロミオ/ロバート・エリス/ハヤカワ・ミステリ文庫(2008.7.15発行)

ミステリが読みたい2009年版 ベスト・ミステリ2008(早川書房)第8位 ベストテンに入ったから読んだのですが、ひさしぶりのニューヒロインの登場 本格警察小説 早川書房のベスト・ミステリもミステリファンの役に立った一例(と言っては怒られるかも) 主人公はロサンジェルス市警強盗殺人課の女性刑事リーナ・ギャンブル ロサンジェルス市郊外の邸内で妊娠したばかりの若い女性が惨殺された。現場は血の海で、頭に…

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炎の壁の彼方から(上)(下)/ノーラ・ロバーツ/扶桑社ロマンス(2008.7.30発行)

主人公は放火捜査班の刑事カタリーナ・(リーナ)・ヘイル サスペンスとロマンスと彼女を見守るイタリア系大家族との心暖まる絆とを楽しむことができます。 はらはらドキドキしながら、あっという間に読み切ってしまいました。 2008年7月30日扶桑社ロマンスより発行 …