海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 女性刑事(捜査官)もの 」 一覧

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闇に浮かぶ牛 ミネアポリス警察署殺人課シリーズ/P.J.トレイシー/集英社文庫(2008.5.25発行)

『天使が震える夜明け』『沈黙の虫たち 』に続くミネアポリス警察署殺人課シリーズ待望の第3作 原題は「DEAD RUN」 このシリーズは、副題とは異なりコンピューター・ソフト開発グループ<モンキーレンチ>のメンバーたちが主役ですね。 今回の舞台は、ウィスコンシン州北部の無線も携帯電話もつながらない森林地帯の僻地です。 母と娘のチームの作家が送る、女性たちが大活躍する超娯楽小説を、あなたもお楽しみ下さ…

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死者の部屋/フランク・ティリエ/新潮文庫(2008.5.1発行)

2005年フランス国鉄ミステリ大賞受賞 毎年リヨンで開催されるミステリ祭の中で授与される「ポラール河岸大賞」も受賞 プロファイリングを無二の趣味とする産休明けの女性巡査長リューシー・エヌベルが主人公 彼女の推理と活躍をお楽しみ下さい。 フランスでは早くも映画化され、2008年3月に日本で開催された「フランス映画祭2008」に出品され上映されました。 失業中のヴィゴとシルヴァンは誤って見知らぬ男を…

ラジオ・キラー

ラジオ・キラー/セバスチャン・フイツェック/柏書房(2008.1.10発行)

通勤電車の中で最初のページを開いたとたんに夢中になった。降りる駅を通り過ぎちゃった。 先が気になって夜眠れなくなった そんなミステリ 絶対に2008年のミステリベストテンにランクインします このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社第15位にラクインしました ベルリンのラジオ局が人質を取った男ヤンに占拠された。ヤンの要求は– ベルリン警察の交渉人で犯罪心理学者のイーラ・…

魔術師の夜

魔術師の夜(上)(下)/キャロル・オコンネル/創元推理文庫(2005.12.28発行)

ニューヨーク市警の巡査部長キャシー・マロリー シリーズ第5作 とても悲しいラブストーリーです。 魔術師を相手にしている物語のため、ジェフリー・ディーヴァーの『魔術師 (イリュージョニスト)』(四肢麻痺の科学捜査官「リンカーン・ライム」シリーズ第5作)と比較されている方がいました。 それぞれの捜査官の闘い方は異なっているし、どちらが面白いかという比較をするのは全く意味がないと思います。それぞれの面白…

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白い首の誘惑/テス・ジェリッツェン/文春文庫(2007.3.10発行)

“外科医”は最も監視の厳重な第六レベルの刑務所の中にいる。そんなおり、”外科医”の再来かと思われる殺人事件が発生し—— 本書は2003年に出版された『外科医』の続編 お勧めのミステリ・シリーズです。 今回の主人公はボストン市警察殺人課の女性刑事ジェイン・リゾーリ 検視官のモーラ・アイルズとのコンビはシリーズ化され、『外科医』以降毎年1年に1作のペースで発表されているそうです。 女性刑事ジ…

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外科医/テス・ジェリッツェン/文春文庫(2003.8.10発行)

本書のヒロインはなんといっても外科医のキャサリン・コーデル その脇役にボストン市警察殺人課刑事トマス・ムーアと同女性刑事のジェイン・リゾーリ 女性の子宮を抉り取り喉を掻き切る猟奇連続殺人事件が発生。数年前に同様の事件が起きていたが、そのときの犯人は被害者によって射殺されていたのだが—- 女医さんでなければ描けない描写 女性に対するとても残忍な事件なのですが、作者の根底に流れる人間に対する暖かい…

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天使が震える夜明け/P.J.トレイシー/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2006.9.20発行)

2004年アンソニー賞・バリー賞・ガムシュー賞・ミネソタ文学賞最優秀新人長編賞を連続受賞 ウィスコンシンの田舎町の教会で老夫妻が殺された。隣の州のミネアポリスでは、パソコンのゲームを正確に模した殺人事件が次々と起こる。この2つの事件は—– この本が日本でミステリのベストテンものにランクインしなかったのは何故なのでしょうか。読み終わってしまうのが、心から残念になってしまうミステリでした。絶対に…

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ハリウッド警察25時/ジョゼフ・ウォンボー/ハヤカワ・ミステリ(2007.8.15発行)

2007週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 表題の通りハリウッド警察の警察官たちの24時間を追って、語られる警察官たちの物語。 著者のジョゼフ・ウォンボー(1937年ピッツバーク生まれ)は、1974年までロサンゼルス市警の警察官だった 彼の作品が日本で紹介されてからなんと11年ぶりの本書 良い作者のものが見直されているのはミステリファンにとっていいことですね。 警察官たちに対する愛情があふれ…

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メフィストの牢獄/マイケル・スレイド/文春文庫(2007.10.10)

数々の殺人鬼と死闘を繰りひろげてきたカナダ騎馬警察の特別対外課(スペシャルX)のシリーズ第7作 既に第12作目でが発表されています。読み始めると止まらなくなるシリーズですが、好き嫌いははっきりと分かれてしまうかなと思います。 ある読者レビューで「帯にカナダのディーバー?的なセールス文字がありますが、全く似通ってないと思います」とのご意見が出ていますが、全く同感です。両者は全然違います。 このシリー…

芸術家の奇館

芸術家の奇館/デイヴィッド・ハンドラー/講談社文庫(2007.11.15発行)

自然豊かなビッグシスター島に住み、やっと村の生活になじんできた映画評論家のミッチ・バーガーと州警察警部補から村の新米駐在になったデジリー・ミトリーのシリーズ第2作 前作から1年7ヶ月ぶりにやっと出して下さいました。遅すぎます。集英社文庫が元FBIアカデミーものの3部作をわずか3か月間に3冊出したことをまねしろとは言いませんが、1年7ヶ月ぶりは待たせすぎです。 既に第5作まで(第1作日本での発行時点…

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ウォッチメイカー/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2007.10.30発行)

2007週刊文春ミステリベスト10(海外)輝く第1位 リンカーンライムとアメリア・サックスの最新作 シリーズ第7弾  くー!!また、ジェフリー・ディーヴァーにやられちまった。とにかく面白い!! 読み終わるのがもったいなくなっちゃう。 このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社<海外>これも輝く第1位!!! こんな仲間に囲まれていたらどんなに幸せだろう。 原題は「THE …

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聖なる罪びと/テス・ジェリッツェン/文春文庫(2007.9.10発行)

「外科医」「白い首の誘惑」に続く第3作 3作とも主人公は異なり、本書では女性検死官モーラ・アイルズが主人公  第2作の主人公のボストン市警察殺人課の女性刑事ジェイン・リゾーリとともに、若い修道女が殺害された事件の謎に挑みます。 二人とも、異性関係に問題を抱えており、どうなっていくのか気をもみながら一気に読んでしまいました。 2007年9月10日文春文庫より発行 …

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捜査官ガラーノ/パトリシア・コーンウェル/講談社文庫(2007.8.10発行)

パトリシア・コーンウェルの「検屍官ケイ・スカーペッタ」のシリ-ズではなく全く新しい作品 最初に本の薄さが気になりましたが、直感が当たり、本の外見だけでなく内容ももう少し膨らませて欲しかった。あっという間に終わってしまったという印象だけが残った。 マサチューセッツ州警察捜査官ガラーノ 彼を助ける女性捜査官サイクス タロット占いのガラーノの祖母 と印象に残る登場人物たちがいるので、次回があるとすればそ…

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霧に濡れた死者たち/ロビン・バーセル/ヴィレッジブックス

カルフォルニアの現役警官時代に発表した本書は、バリー賞最優秀ペイパーバック賞を受賞 アンソニー賞にもノミネートされました サンフランシスコ市警初の女性の殺人課刑事ケイト・ギレスビーが主人公 誰もが怪しいなかで、パートナーのスコラーリを信じて孤軍奮闘する女性刑事ケイト・ギレスビー 既に第4作まで発表されており、日本でも続けて翻訳されるのが楽しみです。 2007年3月20日ヴィレッジブックス(ソニーマ…

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警視の週末/デボラ・クロンビー/講談社文庫(2007.7.14発行)

ダンカン・キンケイド警視とジュマ・ジェイムズ警部補のシリーズ第9作 舞台はウイスキーのふるさと『スコットランド』 ウイスキー好きでなくとも、たずねてみたくなりました。 シリーズもここまで重ねると、ミステリー部分よりも主人公たちのことが気になってしまいますね。 大好きなこのシリーズがいつまでも続いて欲しいと思っています。 2007年7月14日講談社文庫より発行 …