海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 闘うベストテン (AXNミステリチャンネル) 」 一覧

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闘うベストテン2003(ミステリチャンネル)海外ミステリ

第1位 『ヨットクラブ』/ディヴィッド・イーリイ/晶文社 第2位 『ボストン、沈黙の街』/ウィリアム・ランディ/ハヤカワ・ミステリ文庫 第3位 『半身』/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫 第4位 『密林・生存の掟』/アラン・ディーン・フォスター/扶桑社ミステリー 第5位 『文学刑事サーズデイ・ネクスト1』/ジャスパー・フォード/ソニー・マガジンズ 第6位 『イエスのビデオ』/アンドレアス・エシュバ…

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輝く断片/シオドア・スタージョン/奇想コレクションシリーズ 河出書房新社

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第2位 シオドア・スタージョンのSF色の弱い作品を中心に組まれた短編集 シオドア・スタージョンは1918年ニューヨーク生まれ SF・幻想作家 アメリカ文学史上最高の短編作家とも言われている。 短編集は敬遠される方も一度手にしてみてください。高い評価がうなずけると思います。 2005年週刊文春ミステリベストテンでも第3位 このミステリーがすごい…

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サルバドールの復活〈上〉〈下〉/ジェレミー・ドロンフィールド /創元推理文庫(2005.10.14発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第1位 どうしてこんなにわかりにくく書くのでしょうか。私には理解できません。メモをとって読まないことには、わからなくなってしまいます。 ミステリーとして十分楽しめる作品なのに、ここまでわかりにくいと放り出したくなります。場面の切り替えごとに小見出しをつけて、時代と場所が書いてあればどんなにか良かったでしょうか。 ミステリーの愛読者たちがすべて…

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カジノを罠にかけろ/ジェイムズ スウェイン/文春文庫

原題は「GRIFT SENSE」 昔からのギャンブラーの意味  グルフト・センスがあるというのはハスラーに対する最高のほめ言葉だそうです。 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第3位 作者のジェイムス・スウェインはフロリダ州在住 カード・マジックとギャンブルの名手にして広告会社の経営者 元警官でカジノ相手のコンサルタントのトニー・ヴァレンタインが主人公 シリーズ化され、現在まで…

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パズル/アントワーヌ・ベロ/ハヤカワ・ノヴェルズ

アントワーヌ・ベロは、1970年ボストン生まれのフランス人 後に両親の住むフランスへ移住 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第5位 本書の広告として「世界最高の実験小説」「今世紀最大の異色問題作」とあります。 マニアックすぎて、普通のミステリーを読みたい方にはお勧めできません。 訳者も「これは推理小説なの?はたまた著者の文学的試みの一つなのか。推理小説だと思って手にした読者に…

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死影/ヴィレッジブックス/マイケル マーシャル

マイケル マーシャルは、1965年英国ナッシュフォード生まれ 原題は The Straw Men 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第6位 訳者あとがきのなかで、スティーヴン・キングの賛辞が載っています。「サスペンス小説の世界にはもう何も新しいものがないと思っていたとき、何とも危険な一匹の蜘蛛があらわれた」と本書を紹介「この作品は異彩を放ち、すさまじいまでに不気味だ」と。 3…

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嘆きの橋/文春文庫/オレン・スタインハウアー(2005.10.10発行)

オレン・スタインハウアーはアメリカのヴァージニア州生まれ 現在はハンガリーのブタペスト在住 舞台は1948年の東ヨーロッパ 先を読まずにはいられない面白さ。5部作のシリーズ作品となる予定と聞いて、わくわくしています。 出版社様、どうか順番にすばやく翻訳してくださいね。 本書は、アメリカでミステリ各賞にノミネート 2003年度のアメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀新人賞候補作品 日本でも、闘うベス…

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ノーセカンドチャンス(上)(下)/ハーラン・コーベン/ランダムハウス講談社文庫(2005.9.13発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第7位 『唇を閉ざせ』」以来のハーラン・コーベン待望の邦訳 訳者はあとがきの中で「悪夢の中をさまようようなサスペンス」と表現しています。 こんな状況に置かれたら、あなたならどうしますか。 先を読まずに入られなくなるお勧めのミステリーです。 本書は2003年に発表され、日本では2005年9月13日ランダムハウス講談社文庫より発行        …

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魔術師 (イリュージョニスト)/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2004.10.13発行)

読み終わった後でもまだなにかが起きるのではないかと思って、もう一度本を手にしたとたん手にした本が消えたりして。まさかね?でもそんなことさえ考えてしまうミステリーです。 四肢麻痺の科学捜査官「リンカーン・ライム」シリーズ第5作 このミステリーがすごい!2005年度版(2004年)宝島社第2位 事前の情報は全く入れないで読んでください。 昨年中に日本で出版された海外ミステリーのなかで総合評価トップとい…

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百番目の男/ジャック・カーリイ/文春文庫(2005.4.10発行)

本書の映画化権は既に売れているとのこと。 面白い!!!!どこかのミステリー評価でランクインするかも。 警察内部でことごとくカーソンと対立するのは、「現場の警官のようにふるまう運営畑17年の人間」の出世だけを考えている警部。 ここまでいくと、笑って読める。こんなやつが現実社会によくいるから書くのだろうけど、出来れば登場させなくてよいのに。 主人公・刑事カーソン・ライダーのシリーズ第2弾は近々アメリカ…

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〈プラチナファンタジイ〉 奇術師/クリストファー・プリースト/ハヤカワ文庫(2004.4.30発行)

闘うベストテン2004(ミステリーチャンネル)第1位 世界幻想文学大賞受賞作品 アンドルー・ウェストリーは、超常現象の特集記事を担当する新聞記者。 一卵性双生児の兄弟がどこかにいるのではないかといつも心に感じていた。 20世紀初頭の稀代の2人の奇術師が残した手記がその謎を解明していく物語。 クリストファー・プリーストは、1943年イギリス生まれ 近年はSFと幻想小説との境界線上にある作品を発表 …

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犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎/コニー・ウィリス/早川書房

2004年週間文春ミステリーベストテン第4位 舞台は西暦2057年 あなたの頭もその時代にタイムトラベル 本書はタイムトラベルで歴史を縦横に駆けめぐる史学生ネッドとヴェリティの活躍をユーモアたっぷりに描くSFミステリー。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。 読後感想に他の人が「決して読みやすい本ではないが」「最初乗り切れるまでに時間がかかったので」と感想を述べているとおり最初は非常に読みにくい本です。…

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荊[いばら]の城 (上)(下)/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫(2004.4.22発行)

このミステリーがすごい!2005年度(宝島社)第1位 ミステリーが好きだったら、一度は読んでみる価値のある作品です。  本作品は英国推理作家協会賞の歴史ミステリ部門にあたるエリス・ピーターズ・ヒストリカル・ダガー賞を受賞 ブッカー賞最終候補作品 舞台は19世紀半ば、ロンドンのラント街。表向きは錠前屋だが、盗品を転売するイッブズ親方・事情がある女から赤ん坊を預かり、引き取り手を見つけるサクスビー夫人…

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耽溺者(ジャンキー)/グレッグ・ルッカ/講談社文庫(2005.2.15発行)

本編は、主人公がアティカス・コディアックではなく、彼の恋人の女性私立探偵ブリジット・ローガンなので、番外編とされています。 とにかく面白いです。すばらしい作品だと思います。最後の最後まで息が抜けません。こんな形の友情と愛とがあるんだなと思いました。是非本を手にお取りください。 薬物の怖さがとことんわかります。薬物との戦いは、死ぬまで続く永遠の死闘なのですね。決して手を出してはいけません。 闘うベス…

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ジェニファー・ガバメント/マックス・バリー/竹書房文庫

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル)第7位 「もしもの世界」に慣れるのに時間がかかりますが、慣れてくると楽しめます。 主人公は登場人物として挙げられている6人ですが、しいて一人を上げるとすれば女性政府捜査官の題名にもあるジェニファー・ガバメントです。現在の社会を強烈に批判し、皮肉った「もしもの世界」の設定になっています。 どんな世界になっても、人間としての守るべきことがあることを教えてくれ…