海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 闘うベストテン (AXNミステリチャンネル) 」 一覧

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ザ・ロード/コーマック・マッカーシー/早川書房(2008.6.25発行)

2007年度ピュリッツァー賞受賞 170万部を超える全米ベストセラー 映画化も決定 ピュリッツァー賞受賞から分かるようにミステリではなく、素晴らしい本格小説で、一気に読み切ってしまいました。 夢のなかにまでこの本が出てきました。是非お読み下さい。 訳者あとがきで 「主流派小説とSF小説のジャンルを横断した作品」 「幼い我が子が生きていく未来の世界を案じ、最悪の事態を想像しつつ希望の種を探して息子に…

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チャイルド44(上)(下)/トム・ロブ スミス/新潮文庫(2008.9.1発行)

物語は1933年スターリン統治下のウクライナの寒村で2人の幼い兄弟が食料として猫を捕まえるために森に入っていくところからはじまる。 このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社 輝く!! 第1位 2008年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位 2008年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第2位 闘うベストテン2008(ミステリチャンネル)海外ミステリ第3位 ミス…

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極限捜査/オレン・スタインハウアー/文春文庫(2008.10.10発行)

☆闘うベストテン2008(ミステリチャンネル)海外ミステリ第8位 ☆このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社第14位 第2次世界大戦から共産圏の崩壊までを描く全5部作<ヤルタ・ブールヴァード>シリーズの第2弾 今度の主人公は民警殺人課捜査官フェレンク・コリエザール シリーズ第1作は『嘆きの橋』 元美術館町はガス中毒の症状で自殺と見られる状態で発見されたが、彼は酷く殴られ…

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闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ 第1位『サルバドールの復活〈上〉〈下〉』/ジェレミー ドロンフィールド/創元推理文庫  第2位『輝く断片』/シオドア・スタージョン/河出書房新社  第3位『カジノを罠にかけろ』/ジェイムズ スウェイン/文春文庫  第4位『耽溺者(ジャンキー) 』/グレッグ ルッカ/講談社文庫 第5位『パズル』 /アントワーヌ・ベロ/ハヤカワ・ノヴェルズ…

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偶然のラビリンス/デイヴィッド・アンブローズ/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2005.9.20発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第8位 サスペンスかSFかサイコスリラーかと、どのジャンルにもまたがっている、ジャンルが混在した(ミックスした)ミステリ これは、はたしてミステリなのでしょうか。 訳者はあとがきで「落とし穴が満載のトリッキーなスリラー」と本書を紹介しています。 ラビリンス(labyrinth)は迷宮・迷路・迷路園・曲がりくねった街路の意 デイヴィッド・アンブ…

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どんがらがん(奇想コレクション)/アヴラム・デイヴィッドスン/河出書房新社(2005.10.30発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 「物は証言できない」はEQMM短編小説コンテスト第一席受賞作 「さもなくば海は牡蛎でいっぱいに」はヒューゴー賞受賞  ☆ヒューゴー賞 (The Hugo Awards) 1953年に創設された最も歴史の古いSF賞であり、SF界ではもっとも権威のある賞 対象は前年度に英語で発表された作品 「ラホール駐屯地での出来事」はMWA(アメリカ…

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闘うベストテン2004(ミステリチャンネル)海外ミステリ

7回目となったミステリチャンネル恒例「闘うベストテン2004」の収録が、16年11月14日に船橋市の市民文化ホールで行なわれた。 (対象作品は2003年11月?2004年10月刊行分) 第1位 『奇術師』/クリストファー・プリースト/ハヤカワ文庫 第2位 『魔術師(イリュージョニスト)』/ジェフリ・ワイルズ・ディーヴァー/文藝春秋 第3位 『文学刑事サーズデイ・ネクスト2 さ…

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嘘つき男は地獄へ堕ちろ/ジェイソン・スター/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2004.6.20発行)

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル) 海外ミステリ次点(第11位) どんな結末が待っているのか、いろいろと考えることができてとても楽しめました。 もちろんこんな結末は予想していませんでしたが。 この作家の作品は訳者によれば二つの系列があり、ひとつはエリートサラリーマンの転落物・もうひとつはギャンブルのめり込み物 本書は二つの系列を組み合わせて物語が出来上がっていますとのことです。 デビュー…

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闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ ミステリチャンネルで2007.12.14放映 第1位 『デス・コレクターズ』/ジャック・カーリイ/文春文庫 第2位 『復讐はお好き?』 /カール・ハイアセン/文春文庫 第3位 『悪魔はすぐそこに』/D.M.ディヴァイン/創元推理文庫 第4位 『血と暴力の国』/コーマック・マッカーシー/扶桑社ミステリー 第5位 『ハスラー』/ウォルター・…

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血と暴力の国/コーマック・マッカーシー/扶桑社ミステリー(2007.8.30発行)

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第4位 舞台は1980年代のアメリカテキサス 麻薬密売人の銃撃戦のあとに残され240万ドを持ち逃げしたベトナム帰還兵のモス 彼を追う殺し屋シュガー・初老の保安官ベル・謎の仕事人ウェルズ 今年のアカデミー賞で、作品賞・監督賞など4部門を受賞した映画『ノーカントリー』の原作 『ノーカントリー』は、ただいま日本でロードショー中です 原題“NO CO…

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ハスラー/ウォルター・テヴィス/扶桑社ミステリー(2007.2.28発行)

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第5位  ミステリではなくギャンブラーを描いた優れた小説です ギャンブルに勝つには技術だけでなく精神が如何に大切か。そういえばサッカーの世界でも中田英寿がそんなことをいっていたような気がします。 ポール・ニューマン主演で大ヒットした1961年のプール・ビリヤード映画『ハスラー』の原作 ウォルター・テヴィスは、1959年本書で長編デビュー 約半…

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目くらましの道(上)(下)/ヘニング・マンケル/創元推理文庫(2007.2.16発行)

スウェーデンの港町イースタの警部クルト・ヴァランダー シリーズ第5作(長篇)  読み終わってしまったのが、残念でなりません。また、最初から読み直そうかな。 久しぶりに迫力のある警察捜査小説にまた出会うことができました。捜査もののミステリが好きな人には絶対にお薦めの作品です。 マイクル・コナリーの刑事ハリー・ボッシュ シリーズと肩を並べる心に残る警察小説 こちらには無能でいやな上司は出てこないし、み…

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怪盗タナーは眠らない/ローレンス・ブロック/創元推理文庫(2007.6.22発行)

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 1966年に書かれた本書 今年のベストテンものには古い作品が多いのが特徴ですね。 脳に損傷を受けたため、眠ることができなくなったエヴァン・タナー  その時間を利用して語学や歴史の学習に入れ込み、世界中のさまざまな団体に所属して知的好奇心を満足させていました。大量のアルメニア金貨がトルコ領内に埋もれているとの情報を得て—– ジョ…

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悪魔はすぐそこに/D.M.ディヴァイン/東京創元社(2007.9.28発行)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007)第2位 ハードゲート大学の講師ピーターは亡父の友人ハクストン博士から、横領の容疑で免職の危機にあると、助けを求められる。博士は、大学の理事会の審問の場で、私を処分するなら過去の事件の真相を暴露すると発言するが—– 「英国探偵小説の実力派が送る傑作」と紹介されている。原題は「Devil at Your Elbow」 邦訳『こわされた少年…

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市民ヴィンス/ジェス・ウォルター/ハヤカワ・ミステリ文庫(2006.12.15発行)

2006年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長編賞受賞作品 闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第7位 主人公はドーナツ屋の主人 ヴィンス・キャムデン 裏稼業のカード偽造と麻薬の密売をやめられずにいた。ある日、何者かがヴィンスの命を狙い始めた—-  過去に立ち向かい、どうやってこれからを生きていくかの物語 アメリカ探偵作家クラブは、まじめな話が好きなのでしょうか。 …