海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価: ☆☆☆ 」 一覧

邪悪 ステファニー・ピントフ

邪悪/ステファニー・ピントフ/ハヤカワ文庫(2011.1.25発行)

☆2010年アメリカ探偵作家クラブ(The Mystery Writers of …

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暗闇の蝶/マーティン・ブース/新潮文庫(2011.2.1発行)

最初はペースが遅くてかったるい。 読むのを途中でやめてしまう人が出てもおかしくな …

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エアーズ家の没落(上)(下)/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫(2010.9.24発行)

☆2010年週刊文春ミステリベスト10(海外)第7位 ☆このミステリーがすごい!2011年版(2010年)ベスト20宝島社第7位 その人の読み方によって小説のジャンルさえ変わってしまう作品 ホラー小説?恐怖小説?サイコロジカル・スリラー?ミステリ? これだけ悩ませる小説を書けるなら、もっとすっきりとするミステリを書いてほしいと思うのは私だけでしょうか。 2010年9月24日創元推理文庫より発行 原…

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オーロラの魔獣/リンカーン・チャイルド/武田ランダムハウスジャパン(2010.11.10発行)

アラスカ北東部の元アメリカ軍事基地を拠点に地球温暖化の影響を調べていた北マサチューセッツ大学の4人の科学者からなる調査隊は、氷山の崩壊により洞窟を目の前にした— 邦題は本の内容を考えると工夫がほしかったと思う。原題は「Terminal Freeze」 映画化したら面白いかも。 シベリアで発見されたマンモスの遺骸がどうして捕食者に食べられることなく冷凍されたのかはよくわかっていないそうです。 2…

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心理検死官ジョー・ベケット/メグ・ガーディナー/集英社文庫(2010.11.25発行)

心理検死官ジョー・ベケット シリーズ第1作 心理検死官の仕事をジョーは「死者について調べ、愛する人にほんとうはなにが起きたかを残され人たちが知る手助けをする」と説明しています。 アイルランド系で母方の祖母は日本人であるジョー・ベケットがめちゃくちゃに活躍する・どちらかというとアクション系のミステリ 映像化されたらおもしろいと思いました。 検死官の細かな科学的分析を好まれる方向きではありません。 す…

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おっぱいとトラクター/マリーナ・レヴィツカ/集英社文庫(2010.8.25発行)

原題は直訳すると「ウクライナ語版トラクター小史」というまったく意表をつくタイトルだそうです。 そうでなくとも笑いがこみ上げてきて電車の中では読みにくいのに、この邦題ではカバーなしには本を開けられませんね。 物語は「母さんが死んで二年が過ぎた頃、父さんはウクライナ生まれのバツイチ金髪美女に入れあげた。84歳の父さんに対しテ、相手は36歳」という書き出しで始まります。 痛快なのになぜか物悲しいユーモア…

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陸軍士官学校の死(上)(下)/ルイス・ベイヤード/創元推理文庫(2010.7.16発行)

☆2006年CWA(英国推理作家協会)最優秀歴史ミステリ賞ノミネート作品 ☆2007年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞ノミネート作品 舞台は1830年、隠遁生活を送っていた元ニューヨーク市警ガス・ランダーのもとをウエストポイント陸軍士官学校から一人の士官が訪ねてきた— 解説は「あえて無名時代のエドガー・アラン・ポオにスポットライトを当てるという発想の転換が見事に決まった」と本書を紹…

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検死審問ふたたび/パーシヴァル・ワイルド/創元推理文庫(2009.3.27発行)

☆本格ミステリ・ベスト10 海外 2010探偵小説研究会 (原書房)(2009年)第2位 ☆このミステリーがすごい!2010年版(2009年)ベスト20宝島社第18位 検死審問―インクエストの続編 復刊もの(作家は1953年に亡くなっている) 時代を感じさせないミステリのマニアが喜ぶ作品 現代のミステリに慣れている人には、展開が遅く、少しいらいらして途中でやめてしまう人もいるかもしれません。 最…

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サム・ホーソーンの事件簿Ⅱ/エドワード D.ホック/創元推理文庫(2002.5.17発行)

  2010/06/07    短編集もの, 評価: ☆☆☆

本格ミステリーベスト10海外2003探偵小説研究会(原書房)(2002年)第5位  1992年ノースモストの田舎医師サム・ホーソーンが若き日を回想して語る不思議な事件の数々 医師サム・ホーソーンもの12作と他に1作を収録 今回は心に残る作品はありませんでした。しいて言えば、特別付録かな。 <収録作品> 「伝道集会テントの謎」 「ささやく家の謎」 「ボストン・コモン公園の謎」 「食料雑貨店の謎」「醜…

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妄執/リンダ・フェアスタイン/ハヤカワ文庫(2004.8.15発行)

マンハッタンの性犯罪を扱うニューヨーク地方検事アレックス・クーパーを主人公としたシリーズ第4作 夫から度重なる家庭内暴力を受けたローラは、警察のおとり捜査に協力し、夫の雇った三人の殺し屋に玄関で五発銃弾を浴びてその場に崩れる場面がテレビで流された。 おとり捜査用の演技だったわけだが、その日の夜ローラは、エレベーター・シャフトの底で死体となって発見された—– ロサンゼルス市警刑事ハリー・ボッシ…

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フクロウは夜ふかしをする/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2003.3.28発行)

<海の上のカムデン騒動記>シリーズ第3作 人よりも植物が好きなカムデンの庭師が殺害されるところから物語は始まります。 老婦人探偵団(?)のアンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲイトとマーティス警部補・スワンソン刑事とのやりとりが主人公のこのシリーズ。 今回はいつになく真剣な内容です。 2003年3月28日創元推理文庫より発行 本文から抜粋 聖歌隊に老人を入れると 「高音に届かない嗄れ声。ほと…

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訣別の海/ロバート・B・パーカー/ハヤカワ文庫(2010.2.15発行)

ついこの間、海を渡って著者の訃報が届いたばかり<「スペンサー」シリーズのロバート・B・パーカー氏、ハードボイルドに死す 2010.1.17> 警察署長ジェッシィ・ストーン シリーズ第5作 マサチューセッツ州の田舎町パラダイス町(架空の町)・精神科医のカウンセリングを受け離婚した妻ともう一度やり直そうとしている警察署長が主人公 なお、本書はTVムービーになっており、ムービーは本書とははなはだ違う内容…

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台北の夜/フランシー・リン/ハヤカワ文庫(2010/1/25発行)

  2010/04/22    評価: ☆☆☆

☆2009年MWA最優秀処女長篇賞(BEST FIRST NOVEL)受賞作品 45年前台湾からアメリカにやってきた夫婦の長男としてアメリカで育ったマザコンの、よくいえば母親思いの金融アナリスト:エマーソン・チャンが主人公 主人公がうじうじしていて、いらいらする。 訳がよくないのか、意味をとりにくい場面も多く、何箇所か読み返した。 舞台となるのは台湾 アマゾンのレビューに「これがどうしてアメリカで…

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ロワイヤル通りの悪魔憑き/ジャン・フランソワ・パロ/ランダムハウス講談社(2010.2.10発行)

『ニコラ・ル・フロック警視の事件』シリーズの第3作 1770年王太子とマリー・アントワネットの成婚を祝う花火大会。その主催者のパリ商務奉行は、無能で虚栄心が強い頑固者。 安全対策に強い疑問を持ったニコラだったが—– シリーズ8巻までを発表  フランス国営テレビが本格的歴史ドラマとして放映、圧倒的な人気を博した。日本でもAXNミステリが第2篇までを4回に分けて紹介 2010年2月10日ランダム…

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悪霊の島(上)(下)/スティーヴン・キング/文藝春秋(2009.9.12発行)

☆2009年週刊文春ミステリベスト10(海外)第7位 上下巻ともとても厚い本に最初はびっくりしました。 まして前作の『リーシーの物語』では上巻の途中で読書中止にした作家の作品でしたので、週刊文春を信じて読んでみました。 読み始めたら止められずに一気に読みましたが、読後には作者は一体何を伝えたかったのか首をひねるばかりです。 ただホラー小説として楽しめたので、それでよいのでしょうか。 超自然現象とし…